第3章 ヒースガルド
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聖堂の中2階は、幅2m程の通路が半円を描いただけのものだった。その通路に両手をつくと、得意の大砲を錬成する。筒を動かし、石球を発射した。
ドォオオオンッッ!!!!
という音と共に、石球はキメラをハズれて壁にめり込んだ。
「コイツっ!よけんなっ!!」
シャンデリアは固定されているのだが、キメラは器用に石球を交わし、なかなか命中しない。そのたびに、シャンデリアは石球に破壊されていく。
ガチャンッ!!!!
ステンドグラスを割って、石球が外へ飛び出す。壁はパラパラと剥がれ落ち、燭台はグニャリと曲がっていた。
シャンデリアは原型を留めておらず、長椅子も大破した。
「これじゃあ、キメラより酷いよ」
破壊の限りをつくす兄に、アルフォンスはため息をつく。
その時、ガンッと鈍い音が頭上で聞こえた。
「よっしゃあ!当たったぜ!!」
ゴンッと石球が床に落ちると、キメラも墜ちて来る。頭をうったらしく、フラフラしながら立ち上がろうとしていた。
「今だ!アルッ!!」
「任せて!!」
クロスボウの矢を、全て放つ。
矢は次々と身体に突き刺さり、キメラは悲鳴を上げる。
ギィャアアアアアアアーーッ!!!!
その時、キメラの首が弾けるように取れた。
「な、なんだ!?」
「首がひとりでに!」
千切れた首から、花火のようにオレンジ色のモノが噴き出す。
「血!?」
「違う、エネルギーみたいなものか!?」
キメラは頭部を失ったまま、苦しそうに暴れ廻る。振り回す両腕に、残っていた長椅子や聖堂の装飾品が壊され、辺りに散らばっていく。
やがて、体内のモノを全て放出したキメラは、呆気にとられる2人の前で自滅していった。
「あらぁ、負けちゃった。思ったより強いのねぇ、坊やたち」
いつの間にか扉が開き、漆黒の中に女がひとり立っていた。
ヒールの高い、ガーターで留めた黒い皮のオープントゥのニーハイブーツの音を響かせ、聖堂の中へ一歩踏み入る。
袖は長いが丈は短いジャケットの中は、幅10cm程の革布が胸元でクロスして、申し訳程度にしか乳房を隠していない。
形の良い臍の下は、腰を隠しきれていない巻きスカート。
顔には、レンズをはめ込んだ眼帯をつけている。
雪のように白い肌だけが、夜に浮かび上がっていた。
「やいコラッ、てめえっ!!一体誰だ!?いきなり何しやがんだ!!」
露出度の高い服に顔を赤らめながら、エドワードは啖呵を切る。
しかし、女はそれを聞く素振りも見せず、聖堂の中を見渡していた。
だが、彼ら以外誰もいないと分かると、エドワードに視軸を戻す。
「ふふふ・・元気なおチビちゃんだこと。そ~ね~、一応自己紹介しておくのが礼儀かしら。私はカミラ」
腰に手をあて、女は名乗った。
眼帯で隠していない左眼には、蔑みの色が浮かぶ。
「ごめんなさいね、高そうなステンドグラス、壊しちゃって。取り敢えず、今夜のところはこれで退いてあげる。じゃ、また会いましょうね~」
一方的に告げると、カミラはくるりと踵を返す。
「なっ!?おいこら待て!!逃がすか!!!」
出て行くカミラを追って、エドワードも走り出す。
「兄さん!」
「待ちやがれ~~」
闇の中に、エドワードの声が響いた。
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