第3章 ヒースガルド
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あの中かい?」
ーーグルルルルッ
紫に光る黒曜石のような長い髪の女が、教会の明かりを見上げた。
隣りには、白い毛並みのキメラが家臣の如く跪いている。
キメラの顔はゴリラに見えるが、後ろ足は四つ足の獣だ。
水牛の顔の骨で出来た仮面を着けており、街中徘徊していたモノと違い、高い知能が伺える。
2本の縞の尾が生えているところをみると、虎など複数の動物を合成したのだろう。
その尾を振ると、仮面の奥から強請るように、女の顔を覗き込んだ。黒に近い紅をひいた女の薄い唇の端が、僅かに上がる。
「いいよ・・いっといで」
オオオオォォッ!!!!
キメラは雄叫びを上げると、四つ足で走り出した。
「フッフッフ・・楽しませてくれるかしら?」
まるで芝居見物でもするように、女は笑った。
「死体を見せられない理由って、どんな理由だよ」
「それは私が聞きたいわよ。でも、セレネを亡くしているにしては、教授の様子がーーー」
セレネの遺体がなかったことを、議論百出しかけた時
ガシャーーンッッ!!!!
ガラスの割れる音が聖堂に響き渡った。
「なんだ!?」
神父の上に、割れたステンドグラスの破片が落ちてくる。
「ウワッーー!!」
「神父さん!!」
アルフォンスは鎧の身体で神父を庇う。
「なんだ!アイツは!?」
ガラスの破片をよけ、聖堂へ降り立ったキメラを睨み付ける。
「あの時のキメラ!!」
「知ってんのか!?」
エドワードはエリスを一瞥する。
「鉱山で見たわ」
「つけてきたのか?とにかく、じーさんと隠れていろ!!」
「ええ。神父さん!」
エリスはアルフォンスの後ろにいる神父の腕を掴むと、教会の奥へ続く扉へ走る。
こうしている間に、キメラは尾を振りながらエドワード達をどういたぶるか、思案しているかに見えた。
2人を逃がすまいと、低く身構える。刹那、後ろ足が床を蹴った。
「兄さん!来るよッ!!」
「あの2人だけで、大丈夫なのかい?」
硬く閉めた扉を見ながら、神父は不安気にエリスを見た。
「あの子たち強いから、大丈夫よ」
ーーー多分ね
聖堂の中からは、キメラの叫び声とドタバタと格闘の音が響いてくる。街中にいたキメラと違って、手こずっているようだ。
やられちゃうかな
でも、あの錬成力なら倒せる筈
まあ、万がいちの時はーーー
だって、失すには惜しいもの
エリスは扉を見つめた。
聖堂の中では、 エリスが推察いたようにエドワードとアルフォンスが苦戦していた。
「くそっ!図体デカいくせにっ!!」
床から突起を錬成したが、キメラは後ろに飛び退き、回避する。
錬成陣なしで錬金術を発動させるエドワードが、キメラの動きを止め、アルフォンスが攻撃する作戦でいったのだがーー
目の前のキメラは、今まで遭遇したモノより遥かに力が強い。
また知能も高く、2人の攻撃パターンを読み的確に対応してくる。
自分たちを嘲笑うように上がるキメラの口元に、エドワードは苛立つ。
「兄さんっ!これじゃあ、埒があかないよっ!」
長椅子の背もたれを飛び回るキメラについて、アルフォンスは狭い通路を走り回る。
「わかってるよっ!!」
素早い動きを何とかしようと、両手を長椅子につけた。エドワードの周囲に青白い光が起こる。
「アル!こいつを使え!!」
「うんっ!」
弓を180度動く台に固定した、連射の出来るクロスボウにアルフォンスは飛び乗る。
すぐさま狙いを定めると、木製の矢を撃つ。
グアアアアアァァーーッッ!!
キメラは飛んでくる矢を躱し、シャンデリアにぶら下がった。
「しまった!」
クロスボウは左右には動くが、上下には対応出来ない。
「アル!そのままでいろ!俺がアイツを落とす!」
エドワードは中2階へ続く階段を駆け上がる。
.
