第1章 トレインジャック
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「 エリス殿」
「 エリス ?」
アームストロングが名を呼ぶと、エドワードもオウム返しに呼んだ。
エリスは背もたれに頬杖をつき、此方を見て笑っていた。
エドワードは、彼女の瞳をジッと見詰める。
「良かったら、一緒に話さないかね? エリス 殿」
「いいんですか?」
アームストロングの誘いに、 エリス は直ぐに席を離れる。
「なんだ、ナンパ済みかよ。少佐」
呆れ顔を向けるエドワードに、眉を顰める。
「そんな軽薄なことはしていないぞ、エドワード・エルリック」
「さっき、アームストロングさんに親切にして貰ったの。私は、 エリス ・ハーディーよ」
立ったまま自己紹介すると、アルフォンスは横にずれる。
エリス は薄いラベンダー色のワンピースの裾を揺らし、優雅な仕草でその空いた場所に腰を下ろす。親指の爪程の雫の形をした赤い石のネックレスが、小さな光を放って胸元で揺らめいた。
「ボクは、アルフォンス・エルリックです」
「宜しく。アルフォンスさん、エドワード君」
先程、アームストロングがフルネームを口にしていたので、エドワードが名乗る前に、 エリス は彼の名を呼んだ。
おそらく、その体躯のせいであろう。アルフォンスが兄だと思ったようだ。
エリス は、エドワードと同じ位の年だろうか。
「えっと~、ボクが弟なんです」
「えっ!?そうなの?」
気まずそうに正すと、エリスは目を見張った。エドワードのこめかみに、ピシリと筋が入る。
エリスの勘違いも 無理もない。なにせアルフォンスは、2mはあろうアームストロングと大差ない鎧姿なのだ。
彼女が、兄にとっての禁句を言う前に、アルフォンスは慌てて話題を変える。
「エリスさんも、セレネを知ってるんですか?」
「えぇ、4年くらい会ってないけど。セレネの錬金術の腕は、スゴいわよね。これから、会いに行くの。驚くだろうなぁ」
笑顔で話すエリスに、エドワードは面白くなさそうに口を挟む。
「でも、薄情なヤツだったぜ。あんなに仲良くしてやったのに、俺たちがダブリスに帰る日に、見送りにも来なかったんだからな」
「スカートでも捲ったんじゃないの?」
「するかっ!!」
ムキになって言い返したが、エリス はサラリと聞き流した。
「でも変ね・・教授は躾には煩い方だったから、お見送りしないなんてこと、ないはずだけど・・」
首を傾げて、僅かに眉を顰める。
「きっと、急に風邪でもひいたんだよ」
「或いは、別れが辛かっただけであろう」
エリスが、アルフォンスとアームストロングの執り成しに、感謝の眼差しを向けた時だった。
ドオオオンッッーー!!
爆音と共に、列車が激しく横揺れした。
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