第3章 ヒースガルド
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「この街から、逃げ出した住人が興した街だよ。ちゃんと鉄道も通っている」
“鉄道”の二文字に、エドワードは勢い良く立ち上がる。
「おぉっ!それじゃ、そこに行けばすぐにっーーて・・・ちょっと待てよ。もしかして、ヴィルヘルム教授が造った街ってそれなのか?」
わずか3ヶ月で、列車まで引く。それは錬金術でなければ、成し得ないだろう。
「教授と知り合いのかね?確かに、ノイエ・ヒースガルドは教授が中心となって出来た街だよ」
神父は不思議そうにエドワードを見る。エドワードのような子供が、高名な錬金術師であるヴィルヘルムと知り合いだとは思わなかったのだろう。
「てことは、教授は生きているんですね!」
手掛かりを掴み、アルフォンスは高揚した声を上げた。
「なぁ、じーさん。最近その街に錬金術師が集まってるって話、聞かないか?」
「錬金術師が?いや・・・それは聞いたことはないな」
エドワードはトレインジャックをしてまで、ヒースガルドへ行こうとしていた指名手配の軍人の顔を思い出す。
あの必死な形相は、嘘をついているように見えなかった。
「そっか・・でも、まあいいか。そのノイエ・ヒースガルドに行ってみりぁあわかる」
「その街は、ここから遠いんですか?」
「遠くはないが、そろそろ怪物たちが増えるころだ。出発は、朝まで待ちなさい」
「そんな悠長にしてらんねーよっ。サンキューな、じーさん!行くぞ、アル、エリス!」
「うん。どうもありがとうございました、神父さん」
アルフォンスはぺこりと頭を下げると、兄の後を追う。
「ちょっと!まだ肝心なことーー」
エリスは引き留めようと叫ぶが、脱兎のごとく走るエドワードとアルフォンスの姿は、既に教会から消えていた。
「待ちなさい。すぐに戻って来る」
「え?」
扉を見ながら、神父は微かに笑った。
程なくして、聖堂の扉が開いた。
「た、ただいま・・」
「な、なんなんですか、あのむちゃくちゃな数のキメラは」
神父が言った通り、2人は青い顔で直ぐに戻って来た。
「はっはっはっ。夕方から夜にかけて、あの怪物たちは特に増え凶暴になるんだよ。心配しなくても、ちゃんと食べ物も寝る場所もある。今晩はここに泊まりなさい」
「はい・・お世話になります」
エドワードはガックリと肩を落とした。
「せっかく道が見えたと思ったのに、一晩中ここで足止めかぁ」
木製の長椅子に寝転がったエドワードは、ステンドグラスの窓を見上げてボヤいた。
「あんたたち、いつ休んでんのよ」
そう言いながら、エリスが入ってくる。手にしたトレーには、3人分のスープとパンがのっている。
「おっ、メシかあ!」
焼いたパンの香りに、ガバッと起き上がる。
「神父さんが一緒にって仰ったけど、辞退したわ。色々聞かれると面倒でしょ?」
「ありがとう、 エリス 」
小首を傾げて微笑むと、エリスの気遣いにアルフォンスは嬉しそうに礼を言った。
「そういえば、じーさんにセレネのことは聞いたのか?」
2人分のパンとスープを平らげて、満足気に尋ねる。
「それとなく聞いたんだけど・・・はぐらかされたわ。なんだか、あまり言いたくないみたい」
「ふ~ん・・・」
食べ終わった食器を片付け始めると、アルフォンスも手を貸す。
「ここを出る前に、何とか聞き出せないかな」
「そうね・・・」
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