第3章 ヒースガルド
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「こんなところを、訪れる人がいるとは・・・」
3人の後ろに立っていたのは、口髭を生やした老人だった。
「あの、ひょっとしてこの教会の神父さんですか?」
老人の着ている黒のローマンカラーを見て、アルフォンスが尋ねる。
「そうだが・・いったい誰だね?君たちは。見たところ、街の人間ではないね」
「ボクたちは、怪しい者じゃありません。ここには偶然来ただけでーー」
訝しげな眼差しに、慌てて釈明する。
「人を探してるんです」
「その人の安否が判れば、すぐに立ち去るよ。列車さえ動いてればね」
「残念だが、列車はずっと動いておらんよ」
エドワードの言葉に、神父は腕を後ろで組むと、気の毒そうに顔を見る。
「やっぱり・・どうしよう、兄さん」
「どうしようって言われてもなあ・・・」
「とにかく、ここにいては危険だ。話は教会の中でしなさい」
途方に暮れる2人を尻目に、教会に向かって歩き出す。
「えっ?あ、あのっ、ちょっと、神父さん!」
「エド、セレネと教授のことを尋ねてみない?」
「そうだな、訊いてみるか」
3人は神父を追って歩き出した。
神父に礼拝堂に案内されると、列車が事故を起こしてから歩き通しだったエリスとエドワードは、早速長椅子に腰を下ろす。
教会の内部は、思っていたより広かった。
礼拝堂の天井には、大きなシャンデリアが下がっていて、蝋燭が灯る燭台も、細かい細工が施されている。小さな街だが、教会への寄付は充実していたのだろう。
「そういえば、君たちの名前をまだ聞いていなかったね」
神父に訊かれ、 エリスは顔を上げる。相手を安心させる、落ち着いた声だ。
「 エリス・ハーディよ」
「ボクは、アルフォンス・エルリックです。こっちはーー」
「エドワード・エルリックだ。この街は、一体どうしたんだ。廃虚化してるし、キメラだらけだし」
エドワードは名乗ると、すぐに要件を切り出した。
「列車が動かないのも、外が危ないのも、キメラが原因ってことですよね」
「そうか・・やはりもう、あの怪物たちのことは知っておったか」
街へ入る道は塞がれていた筈だが、ここへ辿り着いたと云うことは、何等かの方法でヒースガルドへ侵入したのだろう。
神父はため息をつくと、重い口を開く。
「数ヶ月前のことだよ。突然、あのような怪物たちが現れ、街を破壊していったのだ。
街の者は、家を捨てて逃げるか殺されるかして、ほとんど残っておらん。
静かで美しかったこの街も、この有様だ」
「ひどいわね・・」
荒れ果てた街並みや、キメラだらけの湖畔を目の当たりにしてきただけに、エリスの呟きには実感がこもっていた。アルフォンスもガチャリと音を立てて頷く。
「うん・・この地域を管轄している軍は、一体何をしてるんですか?」
「軍は、何故かあの怪物に関しての対策を、積極的に行ってはくれんのだよ。
まあ、長く平穏な地域だったヒースガルドに、あの怪物たちに対抗できる軍事力はないのだろうがな」
「職務怠慢ね」
「まったくだ」
眉をひそめるエリスに、エドワードも同意する。
「なあ、じーさん。俺たちはセントラルに行きたいんだ。どう行けばいい?」
「セントラルに行ったら、ヒースガルドのことを報告しますよ」
自分たちの後見人であり上官であるあの男に言えば、きっと何か手を打ってくれる筈だ。出世の為ならば、何でも利用する男だから。
「セントラルか・・それならば、ノイエ・ヒースガルドに行くといい」
「ノイエ・ヒースガルド?」
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