第3章 ヒースガルド
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山道から徐々に整備された街道へと変わり、3人はヒースガルドの入り口へ漸く辿り着いた。
「よーし。やっと、ヒースガルドに着いたぞ。んえっ!?」
「兄さん、街が!」
安堵したのも束の間。街は無惨に破壊されていた。
焼け焦げた臭いが、辺り一面に漂っている。
黒い煙りが細く上がっている家もあった。まだ、火種が燻ぶっているのかもしれない。
「な、なんだよ、こりゃ・・」
「いったいどういうこと?これじゃまるで、ゴーストタウンだ」
街には、人影は疎か気配さえなかった。
「まさか、あのキメラたちの仕業ってわけじゃねーだろうな」
「十分ありえるわね。鉱山にいたキメラは、ここから来たと考えた方が自然だわ」
キメラは錬金術師が造り出すモノ。決して、自然には生まれないのだ。
エドワードは、ハッとする。
「って、冗談じゃねーぞおい!街を滅ぼすくらいやばいキメラだってことじゃねーかよ!?」
両手で頭を掻き毟って慌てふためくエドワードをよそに、エリスは黒煙が上る空を見上げる。
「セレネは無事なのかしら・・・」
心配するエリスを見て、アルフォンスはエドワードの顔を覗き込む。
「ねえ兄さん。やっぱり教授に会いに行こうよ。会いたくないなら、せめて教授とセレネの無事を確かめるだけでも」
身体を取り戻す為、セントラルに急ぎたいのはやまやまだが、この状況で、見知った人の安否を確かめないで立ち去るのも良心が痛む。
エドワードはアルフォンスを見上げた。
「そうだな・・街がこの有様じゃ、列車も動いてないだろうからな」
自分に言い訳をするエドワードに、アルフォンスは鎧の中で微笑んだ。
「兄さん、教授の家、覚えてる?」
「う~ん・・先生と一緒だったからなぁ」
記憶を手繰ってはみるが、全くと言っていい程残っていない。
「街はずれの湖の近くよ。案内するわ」
エリスは先に立って、瓦礫の散乱する道を歩き出した。
しばらく歩くと、家々の向こうに駅舎が見えた。
「・・・やっぱり、列車は走ってないみたいだね」
遠目でも、駅が機能していないことがわかった。鉄橋で線路が立ち入り禁止になっていたのは、このせいだろう。
「あぁ。仕方ない、教授の家に行ったら別の道を探そう」
繁華街であったであろう場所を通り過ぎ、住宅街へ入った。
「ここよ。この先にセレネの家があるわ」
エリスが指差したのは、石垣に囲まれた屋敷だった。2人で住むには随分と大きな家だが、屋敷の殆どが錬金術の研究施設と云えば、頷ける。
門をくぐろうとしたエリスの腕を、エドワードは掴んだ。
「待て、エリス。迂闊に近づくと危ない。家の中にキメラが隠れていないか、先に確認しないと」
「ボクが見てくるよ」
アルフォンスが偵察している間、エドワードは腕組みをしてぐるりと屋敷を見渡す
「教授の家・・か。あの屋根に見覚えがあるな。エリスはいつ頃ここに来たんだ?」
エリスはトランクを置いて後ろで手を組むと、屋敷を見上げる。
「3年くらい前・・・かな」
「じゃあ、先生と俺たちが尋ねて来たくらいだな」
「そういえば、友人が訪ねてくるって教授が話していたのを思い出したわ。あなたたちの事だったのかもね」
エドワードがエリスに視軸を移すと、彼女のヘーゼルの瞳と視線がぶつかった。
金と碧の瞳孔に、胸の内が映し出されている気がして、思わず目を逸らそうとした時
「兄さん、 エリス 、キメラはいないみたいだ」
「そ、そうか」
戻って来たアルフォンスに、うわずった声で返事を返す。
ーーこれじゃあ、アイツと一緒じゃねえか
エリスに暴言を吐いたガンツ・ブレスローの、ニヤけた顔が浮かんだ
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