第1章 トレインジャック
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人は 何かの犠牲なしに 何も得ることは出来ない
何かを得るためには 同等の対価が必要となる それが 錬金術における 等価交換の原則だ
イーストシティーを出発した汽車は、一路、セントラルを目指していた。
汽車の窓からの景色は、疎らに見えていた人家の屋根も、とうに見えなくなり。
一面の田畑が広がるばかりになった。
やがて、前方に山々が聳え立った。
この山のトンネルを抜けてレミニス渓谷を越えれば、セントラルはすぐだ。
その時ーー客車の大半を占める二等車両で、数人の男たちが立ち上がった。
「あ~退屈だな・・ま~だセントラルには着かないのかよ」
両腕を伸ばして大きな欠伸をしながら、もう我慢の限界とばかりに、エドワードはうんざりした顔で呟いた。
「イーストシティーを出てから、退屈のしっぱなしだね。兄さん。仕方ないじゃない、のんびりしようよ」
兄のボヤキにすっかり慣れた様子で、アルフォンスは笑った。
「ヒマなのは、性に合わねえ~っ!!」
(またそれか・・)
ジタバタと駄々をこねるエドワードに、ため息をつく。
その様子を、向かいのボックス席に独りで座っているアームストロング少佐が、ジッと見ていた。
「むう・・情けない。忍耐力が足りんぞ、エドワード・エルリック」
イーストシティーで乗車した時、彼は兄弟の前に座っていたのだが
ものの10分と経たぬ内、狭いだの暑苦しいのと文句を云われ、向かいのボックス席に移ったのだった。
文句を云ったのは、勿論エドワードだ。
「この先のヒースガルドを迂回すれば、セントラルまではもう、目と鼻の先である。もうしばらく、我慢するのだ」
「ヒースガルド?そっか。この辺はもう、ヒースガルドに近いんだ。懐かしいねえ、兄さん」
アームストロングの言葉に、アルフォンスは読んでいた書物から、顔を上げる。
「ん?あぁ・・そう言えば、そうだな・・」
窓枠に肘をつき、エドワードは思い出すように、天井に目をやった。
「む?なんだ2人とも。ヒースガルドに来たことがあるのか?」
「はい、何年か前に1度だけ。師匠に連れてこられて、来たことがあるんです」
パタンと、両手で本を挟んで閉じると、アームストロングを見る。その音につられ、エドワードも彼を見た。
「ヴィルヘルムっていう、おっさんに会いに行ったんだよな、確か。師匠並みに、すげー錬金術師だったっけ」
「そうそう、思い出してきた。ヴィルヘルム教授には、“セレネ”って娘がいて。その子も、術師なんですよ。ボクたちと同じくらいの年で、もう、大人顔負けの技術を持ってたよね」
「ほほう・・成る程。天才少女錬金術師と云うわけだな」
2人の話しに、アームストロングは右手で顎を掴んだ。クルリとカールした口髭が、厳つい顔に愛嬌を添えている。
「ねえ、アナタたち。セレネを知ってるの!?」
「えっ!?」
突然掛けられた声に、3人は声の
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