第2章 出逢い
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鉄橋を渡りきると、錆びた引き込み線の上に、機関車が一両だけ乗っていた。
「これ・・棄てられた列車?」
「そうみたいだな・・」
この先にある鉱山から、鉱物を運んでいたのだろう。廃山となったいまは、周りの施設も取り壊されることもなく、ただ放置されているようだ。
「せっかくだから、これで何か錬成出来ないかな」
巨大なオモチャを見つけたエドワードは、目を輝かせる。
「こんな物で、何を作るっていうの・・」
子どもじみたことを言う兄に、弟は呆れる。
「先を急ぎましょ」
「ヘイヘイ」
興味を示さないエリスに急かされ、名残惜しそうに後ろを振り返りつつ歩き出した。
再び線路に沿って歩いて来たのだが、鉱山に掘られたトンネルの入り口に、危険という文字と共に板が打ち付けられていた。
「このトンネルを抜ければ、ヒースガルドはすぐなのに」
僅かな苛立ちを見せ、エリスは眉を顰める。
「トンネルの中が崩れてんのか?仕方ない、鉱山を抜けて迂回しよう」
線路沿いを外れ、鉱山へと向かう。しかし、鉱山の入り口は巨大な岩が積み重なっている。
周りの岩山が崩れたにしては、酷く不自然な積み重なり方に見えた。
「完全に塞がれちまってる。まいったなこりゃ・・」
エドワードは頭をかきむしる。
「他に道はないわよ」
「どうしよう。トンネルでも造る?」
「まて。この距離と大きさだと、トンネルの耐久性が心配だ。何か他の方法を考えないと」
「他の方法っていったって・・」
思案するものの、のんびりしていては日が暮れてしまう。八方塞がりにアルフォンスが岩山を見上げると、エドワードが得意気に口を開いた。
「ちゃーんと、俺に考えがあるよ。さっきのアレを使うんだ」
「さっきのアレ?」
3人は、鉄橋の手前まで戻って来た。引き込み線の方へ進むと、列車の前で足を止める。
「これこれ。この廃棄列車が、役に立ってくれそうだぜ」
腕を組むと、列車を見上げニヤリと笑う。
「これで、何を錬成するの?」
「まあ見てろって」
エリスの問いには答えず、エドワードは列車の外側についているハシゴを掴んだ。屋根の中央に立つと、前方を見据えて掌を合わせる。
パンッーーーー!!!
音を立てた両手を、屋根に押し付けた。そこから青白い光が列車の前方を包む。
「うっーー」
放たれる光のも眩しさに、 エリス は目を閉じる。
「よし、完璧!!」
「うわぁ・・」
絶句するアルフォンスの様子に、エリスも列車を見る。
「これ、たいーーー」
「いっけえーーーっ!!!!」
ドォォォーーーーンン
「きゃあっ!」
轟音と共に、巨大な鉄球が空を飛んだ。鉄球は一直線に鉱山の入り口へ向う。
すぐにバンッ!!と衝撃音がし、ガラガラと崩れる音が響いた。
入り口を塞いでいた岩山が、崩れ落ちたのだろう。呆気にとられるエリスの横で、アルフォンスは呟く。
「相変わらず、やることがハデというかなんというかーー」
エドワードは車両の前半分を、巨大な大砲に錬成していた。
大砲の錬成が列車を脱線させた原因となったことを、すっかり忘れているようだ。
「さ~て、これでヒースガルドまで一直線だ」
ため息まじりの呟きを無視して、大砲の横を意気揚々と歩き出した。
「結局、これで遊びたかったのね」
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