第2章 出逢い
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走っていたアルフォンスは、スピードを落とし、後ろを振り返った。
「兄さん、逃げちゃったりして良かったのかな・・」
脱線した列車が、まだ小さく見える。エドワードは、それに一瞥をくれた。
「あのおっさんが後を追って来ないと頃をみると、良かったんだろ。そんなことより、急ごうぜ」
一度立ち止まったエドワードは、すぐに足早に歩き出す。
「でも、ホントにこっちの方角でいいの?」
後ろを歩きながら、アルフォンスは線路の先を見た。
「多分、いいんじゃないか?」
「適当だなぁ・・でも、またヒースガルドに行くことになるなんて、思わなかったね」
「ま~な、師匠の所にいた時以来だからな。もう、何年ぶりになるのやら」
僅か3年前の事なのだが、その間に2人を取り囲む環境は大きく変化した。
開かれた真理の扉
失った手足と弟の身体
自らの愚行が招いた結果とは言え、焦りと苛立ちが時間を長く感じさせているのかもしれない。
過去の過ちを思い出し、エドワードとアルフォンスは押し黙った。その時
「エドー、アルー」
後方から呼ぶ声に、エドワードは訝し気に眉根を寄せる。
「あ?」
「エリス!」
振り返ったエドワードの眼に、走ってくるエリスの姿が映った。
「何だよ、お前まで来たのか?」
追いついたエリスは、息を切らしながら言った。
「ハァ・・ハァ・・何だよ・・じゃ、ないわよ」
大きく深呼吸をして、息を整える。
「ヒースガルドに行くって、言ってたでしょ?」
「あ・・そうだったね」
アルフォンスは、エリスが最初にそう言っていたことを思い出した。
「救援を待ってるより、この廃線になった線路に沿って、歩いた方が早いわ」
「へ~詳しいんだな」
「・・まあね」
エドワードの視線に、彼女は曖昧な笑みを浮かべた。
「そうだね、人数は多い方が楽しいし。一緒に行こうよ、エリス」
3人が暫く歩いていると、川を渡る鉄橋に出た。その上を続く線路の中ほどまで進んだ時
「見て、兄さん。鉄橋が」
橋が、中央で寸断されていた。
「見事に崩れ落ちてるな。どういうことだ?この辺で何かあったのか?」
「それはわからないけど・・」
「解体してる途中なのかしら?でもこのままじゃ、向こうに渡れないわね。他の橋は、随分離れてるわよ」
困惑する2人に、エリスが助言する。回り道をしていては、今日中にヒースガルドへは辿り着けない。
「錬金術ってわけにゃいかないか。迂闊に使うと、鉄橋全体が崩れちまいそうだ」
「ねえ、上は?」
エリスは橋を見上げた。
鉄骨の骨組みが、向こう側まで渡っているのが見える。
「よし、上れないか調べてみるか」
すぐに、作業用らしき梯子が見つかった。3人はそれを昇り、鉄橋の上へ出た。
鉄骨の上を歩いていると、いちばん前を歩いているエドワードが口を開いた。
「なあ・・ エリス 。気にすんなよな」
「何を?」
「アイツが云ったことだよ」
エリスの問いに、背中を向けたまま答えた。
『薄っ気味の悪い眼で見るんじゃねえ!!』
「あぁ・・別に気にしてないわ。ホントのことだし」
「そんなことないよ!キレイな眼だよ!」
しんがりを歩いているアルフォンスが、身振りを交えて力説する。その様子に、エリスは微笑んだ。
「ねえ兄さん。どうせヒースガルドに行くなら、ちょっとヴィルヘルム教授に会いにいかない?」
「教授にかよ!バカ言え!」
アルフォンスの提案に、エドワードは声を荒げて立ち止まった。
「どうして?いいじゃない、別に。久しぶりに、セレネにも会ってみたいし」
「バカ、忘れたのか!教授と師匠は友だちなんだぞ!」
目を吊り上げて振り返ったエドワードは、そこまで言うとアルフォンスに走り寄り
「教授ほどの人なら、俺たちの身体を見ただけで、何があったのかバレちまうよ」
ひそひそと背中を向けて話す2人に、エリスは
「・・・ねえアル。その鎧の中、からっぽなんでしょ?」
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