第1章 トレインジャック
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不敵に笑う国家憲兵の男に、エドワードたち3人は対峙した。
「誰だ、アンタ。いやーーその制服と階級章」
「国家憲兵上級大佐ね」
2人の冷静な声を聞いていたアルフォンスは、何かを思い出したようにハッとした。
「あっ!確かあの人、リオールの街に貼ってあった手配書にーー!」
「くっくっくっーーよく知ってるじゃねえか。だとしたら、どうだって云うんだ?」
「兄さん・・」
小馬鹿にした笑いに、ムッとした様子でエドワードに耳打ちする。
「どうやらコイツが、本当の黒幕ってワケみたいだな。部下を騙して、わざわざヒースガルドへ向かわせた理由はなんだ?」
問い詰めると、男は忌々し気に舌打ちする。
「けっ、頭の回転の早いガキだな。だが、これ以上貴様が知る必要はねえ。どうせ、ここで死ぬんだからな!!軍最強の使い手、『徹甲の錬金術師ガンツ・ブレスロー』とは俺サマのことよ!!」
そう言うと、ガンツはこれ見よがしに左腕を突き出した。
人の腕に似せた繊細なフォルムのエドワードの逸れとは違い、粉砕する事だけを目的としたガンツのオートメイルは、実際の腕より太く大きかった。
指先も、獣のように鋭い爪になっている。
オートメイル全体に描かれたグリーンの迷彩柄が、戦いを好む彼の性格を表しているかのようだ。
オートメイルを見せびらかし、大柄な態度をとるガンツに、 エリスは眉をひそめる。
「ほんとにこの人が黒幕なの?なんか、頭悪そう」
ぷっと、エドワードは吹き出した。そこへ、アルフォンスが
「それに徹甲の錬金術師なんて二ツ名、聞いたことないけど」
「それよりも、軍最強ってはちょっと聞き捨てならねーな」
自らのオートメイルを、最高の物と信じているエドワードも、ガンツの言葉にムッとしていた。
3人の声が耳に入らないのか、ガンツは続ける。
「無能な部下は始末した。ヒースガルドへ行きゃあ、美女が匿ってくれたのによ。
後は、お前らを消せば、取り敢えず問題はねえ。悪く思うな。
俺たちの邪魔をしやがった、貴様らが悪いんだからなあ!!」
この事態を楽しんでいるガンツの言葉に、エリスはひと言呟いた。
「美女ーーねえ・・」
「しょうがない。面倒だけど、やるしかないか」
「そうだね」
「頑張ってね、エド、アル」
ちっともイヤそうに見えないエドワードに視線を送りつつ、 エリスは後方に避難した。 エリスの言葉に、ガンツは目を見張る。
「エド?・・まさか小僧、『鋼の錬金術師』エドワード・エルリックか!?」
「えっ!?」
ガンツの言葉に、今度はエリスが目を見張った。
「うわぁ有名人だね、兄さん」
「だとしたら、何だってんだよ」
アルフォンスは手を叩いて喜んだが、エドワードは不愉快を露わにした。
「はーっはっは!!会いたかったぞ!鋼の錬金術師!!俺とお前。俺の左腕とお前の右腕。どっちが『フルメタル』の名を冠するに相応しいか。ここでハッキリさせてやる!さあ、かかってきやがれ、チビ」
「ーーー!!!!」
オートメイルを隠す白い手袋がわなわなと震える。キレると、辺りに尋常でない被害を齎すエドワードだが、ここは幸いにも列車の屋根の上だ。
被害は最小限で済むだろう。アルフォンスはそう分析し、兄を止めなかった。
「誰が・・誰が・・誰がゴマ粒ミクロの錬金術師かーー!!!!」
「そこまで言ってないじゃない、国家錬金術師さん」
両手を打ち合わせ、オートメイルを鋼剣に変えてガンツに向かっていく背中に、エリスは呟いた。
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