第4章 故郷
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その日の夜の食事がすむと、エドワードはすぐに話を切り出した。
「ばっちゃん。俺たち、明日の朝イチにここを発つよ」
「ピナコ殿、ウィンリィ殿。まことにお世話になりました」
「泊めていただいて、ありがとうございます」
3日間、彼らとロックベル家に寝泊まりしたアームストロングとマリーゴールドは、頭を下げる。
「そうかい。また、ここも静かになるねえ」
目尻の皺をより深くして、少し寂し気にピナコは言った。ウィンリィも、後に続ける。
「毎日、ちゃんと機械鎧の手入れすんのよ?すぐサボんだから、あんたは・・」
「へいへい」
エドワードは肩を竦めると、面倒臭そうに返事をした。
「ふふっ・・このやり取りが見られなくなるのが、ちょっと淋しいな」
「アハッ」
アルフォンスが、マリーゴールドの呟きに笑う。
別れの寂しさと手掛かりへの期待が、胸の奥で入り混じる晩だった。
その時ーー
ドンドンドンッ
「ん?なんだい」
乱暴にドアが叩かれた。
ピナコが開ける間もなく、勢い良くドアが開く。
「た、大変だ!!」
「どうしたんだい?こんな時間に?」
飛び込んで来たのは、青ざめた顔の村の住人だった。
「か、怪物・・怪物が出たっ!!」
と、大声を上げた。
それを聞いたエドワードとアルフォンスは、ハッと顔を見合わせる。
「怪物!?兄さん!!」
「あぁ」
エドワードは、ツカツカと歩み寄ると
「おい、怪物ってどんなヤツだ!?」
噛み付くように尋ねると、男は脅えた声で答える。
「気味の悪い、真っ黒な怪物だ!裏山の洞窟辺りに、4匹も5匹も!!」
「怪物とは、例の失踪事件の?単なる噂ではなかったのか!!」
東方司令部で、エドワードがリオールの報告をした時、アームストロングはその場に居なかった。
まさか、リゼンブールに現れると思っていなかったのだろう。
ロイ・マスタングは、何も伝えていなかったらしい。
「少佐。俺たち、ちょっと行って洞窟の辺りを調べて来る」
ドアに手をかけ、エドワードは振り返った。
「うむ。ならば、我輩も同行しよう」
「いや、それより。少佐はここに残って、村の人たちのことを頼むよ」
「む・・しかしーー」
見下ろす瞳に、自分たちを気遣う気持ちを感じつつ、エドワードはアームストロングを止めた。
村が襲われれば、ひとたまりもない。
黒い怪物のことを知っているからこそ、彼を連れて行くわけにはいかない。
アルフォンスも、口添えする。
「ばっちゃんとウィンリィをお願いします。マリィ、少佐にリオールでの事、説明してあげて」
「でも、アル」
アルフォンスの手を、マリーゴールドは掴んだ。だが
「頼んだぜ。マリィ、少佐」
「あ・・うん・・」
「むぅ・・致し方あるまいな。了承した。我輩の、全身全霊全筋肉をもって、この村を守ってみせよう」
遣り取りを黙って聞いていたウィンリィが、声を掛ける。
「気をつけてね、エド」
「無茶するんじゃないよ」
心配するウィンリィとピナコに手を上げると
「大丈夫。大したコトじゃねーよ。すぐ、戻って来るからさ」
「行って来ます!」
「エド・・アル・・」
再び閉まったドアに、ウィンリィは呟いた。
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