第4章 故郷
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「ここが、俺たちの家だ・・」
何もない場所で、エドワードはポツリと言った。
土の上にわずかに残る、黒い炭と化した木材。
太い幹の途中から、黒こげになった大木。
「・・火事?」
「俺たちが、燃やしたんだ」
エドワードの横顔を見つめる。
「リオールで、言ったよな。俺たちは、母さんを錬成したって」
「うん・・」
レト教の神殿での出来事を思い返す。
初めて見た、機械鎧。
エドワードの辛い顔と、アルフォンスの悲しい声。
「俺たちがガキん時、オヤジが出て行った・・それでも母さんは、俺たちの前で淋しい顔ひとつしないで、明るく振る舞ってた」
遠い昔を思い出し、エドワードは目を閉じる。
「優しいお母さんだったのね・・」
「あぁ。だから、もっと傍にいたかったんだ。それで、このザマさ」
腕のない、右肩を掴んだ。
右腕と左足。
アルフォンスの身体全てを失っても、母、トリシャは甦えらなかった。
ふたりは、しばし無言になる。
陽が落ち始め、少し冷たい風が肌を撫でる頃。
マリーゴールドは両手を後ろで組むと、俯き加減に喋り出した。
「私ね、お母さんのこと、全然覚えてないんだ」
「え・・」
エドワードが、驚いてマリーゴールドを見る。
「私を生んで、すぐに死んだんだって・・・それからずっと、お父さんと2人だった。お父さんには、何度か再婚話があったんだけど・・お母さんを愛しているからって、全部断ったんだって」
「そっか・・」
「お父さんが、いつも言ってた。“おまえは、お母さんの生まれ変わりなんだよ”って・・」
空の青と大地の緑を、暖かな橙色に染め上げて
これから夜が訪れることを告げる。
「帰るか・・みんなが待ってる」
エドワードが、左手を差し出した。
マリーゴールドは腕を伸ばし、そっと握る。
「・・うん」
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