第4章 故郷
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エドワードが出掛けると、ピナコはアームストロングを手招きした。
廊下に出ると、窓から日差しが入る廊下の隅に移動する。
そこには木製のテーブルと椅子。1メートル四方のグリーンボードが壁際に置いてあった。
ピナコは、徐に口を開く。
「少佐。あの子らは、毎日平穏無事に過ごしているだろうか」
そう言うと、のどかな窓の外の景色に目をやる。
「なんせ、こんな田舎だ。都会の情報はあまり入ってこないし、あの子らも手紙ひとつもよこさない」
煙管を深く吸い込むと、煙りを窓に向かって吐き出した。
「だから、心配でね・・」
アームストロングも、窓の外を眺める。
「鋼の錬金術師と云えば、セントラルでも名が通っておりましてな。最も、それ故、トラブルに巻き込まれることもあるようですが」
アームストロングは、ひとつひとつ、丁寧に言葉を選ぶ。
真実を労りでくるみ
兄弟が歩いている棘の道を、ベールで隠し
この、年老いた女性が、少しでも安心出来るようにーー
「大丈夫ですよ。あの兄弟はーー強い」
「強い・・かい?」
テーブルの上の、フォトスタンドを見る。そこにはーー
「そうだね。4年前、自分の腕と引き換えに、弟の魂を錬成した時も。軍の狗となることを決めた時も。大人でさえ悲鳴を上げる、機械鎧の手術に耐えた時も。あんな小さな身体のどこに、あれほどの強さがあるのかと思ったよ」
人体錬成によって、右腕と左足を無くす前のエドワードの写真があった。
「そして、そこまで強いからこそ。何かの拍子に挫けてしまった時ーー立ち直れるだろうかと、心配になる」
その隣りには、もうひとりの少年
身体を失う前のーーアルフォンス。
優しい目は、エドワードと同じ、金色。
「そのための家族が、ここにあるではないですか」
「家族ーーかい?」
ピナコは、自分の2倍はあろうアームストロングを見上げた。
「あぁ・・そうだったね。あの2人が生まれて来た時から、ずっと成長を見守ってきたんだからねえ・・」
穏やかな瞳で、アームストロングは頷いた。
マリーゴールドが、摘んできた花を墓に供える。
黄色い軸の廻りに、白い花びらの野の花。
「ありがとう、マリィ・・母さんも、きっと喜んでる」
墓標に刻まれた名を見つめて、エドワードは言った。
「・・ねえ、エド」
「ん?」
マリーゴールドも、前を向いたまま言った。
「エドとアルのお母さんて、どんな人だったの?」
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