第1章 リオール
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神と呼ばれる男 3
ラジオを見下ろし、鎧は呟いた。
「あ~あ、やっちゃった」
カウンターから身を乗り出した店主は、ラジオを見て声を荒げる。
「ちょっとお!!困るなぁ、お客さん!大体、そんなカッコで歩いてるからーー」
「わりぃわりぃ。すぐ、直すから」
「直すからってーー」
少年の言葉に、店主は半信半疑で2人を見る。
鎧は足に巻き付けてある、皮の小さな鞄から白いチョークを取り出した。
そのチョークで、ラジオの周りに円を描く。円の中に、更に図形を描いた。
「よし、そんじゃいきま-す!」
二重の円の中に、六芒星ができ、それに手をかざす。
「うわぁ!?」
途端に地面が光り、店主と客たちは目を瞑った。
「!?」
店を遠巻きに見ていた男が、驚きに目を見張る。
光りが収まると、その場にいた者は言葉を失った。
「なっ!?」
「これで、いいかな?」
そこには壊れた筈のラジオが、元通りの形で置かれていた。
「こりゃあ驚いた!あんた、『奇跡の業』が使えるのかい!?」
興奮してツバを飛ばす店主に、眉をしかめる。
「何だそりゃ」
「ボクたち、錬金術師ですよ」直ったラジオを元の場所に戻しながら、鎧は説明した。
「エルリック兄弟っていやあ、結構、名が通ってるんだけどね」
その名を名乗る少年を、ジッと見つめる。
「・・・」
「エルリック・・エルリック兄弟だと!?」
「聞いたことあるぞ」
客のひとりが、思い出したように言う。
「兄の方が、確か国家錬金術師のーー」
「鋼の錬金術師!エドワード・エルリック!」
店主が叫ぶと、客たちは鎧の周りに集まった。
「いやあ、あんたが噂の天才錬金術師!ナルホド!こんな鎧を着てるから、二つ名が『鋼』なのか!」
「あの・・ボクじゃなくてーー」
尊敬の眼差しを向けられ、鎧はすまなそうに少年を指差した。
店主は疑わしそうに、少年を振り返る。
「へ!そっちのちっこいの?」
「誰が豆つぶドちびかーーッ!!」
少年ーーエドワード・エルリックは、声を張り上げる。
「ボクは、弟のアルフォンス・エルリックです」
鎧の人物ーーアルフォンスが名乗ると、エドワードは更に声を張り上げた。
「オレが、鋼の錬金術師!エドワード・エルリック!!」
「し、失礼しました」
エドワードの剣幕に、店主は、しどろもどろで謝まった。
「全く、おいアル。早く神殿とやらに行ってみるぞ」
「うん。それじゃ、お騒がせしましたー」
肩を怒らせて歩く兄エドワードと、彼より大きい弟のアルフォンスを、全員が茫然と見送った。
だが、店主と客以外にもうひとり。2人を見送った者がいた。
「国家錬金術師、エドワード・エルリック・・」
.
ラジオを見下ろし、鎧は呟いた。
「あ~あ、やっちゃった」
カウンターから身を乗り出した店主は、ラジオを見て声を荒げる。
「ちょっとお!!困るなぁ、お客さん!大体、そんなカッコで歩いてるからーー」
「わりぃわりぃ。すぐ、直すから」
「直すからってーー」
少年の言葉に、店主は半信半疑で2人を見る。
鎧は足に巻き付けてある、皮の小さな鞄から白いチョークを取り出した。
そのチョークで、ラジオの周りに円を描く。円の中に、更に図形を描いた。
「よし、そんじゃいきま-す!」
二重の円の中に、六芒星ができ、それに手をかざす。
「うわぁ!?」
途端に地面が光り、店主と客たちは目を瞑った。
「!?」
店を遠巻きに見ていた男が、驚きに目を見張る。
光りが収まると、その場にいた者は言葉を失った。
「なっ!?」
「これで、いいかな?」
そこには壊れた筈のラジオが、元通りの形で置かれていた。
「こりゃあ驚いた!あんた、『奇跡の業』が使えるのかい!?」
興奮してツバを飛ばす店主に、眉をしかめる。
「何だそりゃ」
「ボクたち、錬金術師ですよ」直ったラジオを元の場所に戻しながら、鎧は説明した。
「エルリック兄弟っていやあ、結構、名が通ってるんだけどね」
その名を名乗る少年を、ジッと見つめる。
「・・・」
「エルリック・・エルリック兄弟だと!?」
「聞いたことあるぞ」
客のひとりが、思い出したように言う。
「兄の方が、確か国家錬金術師のーー」
「鋼の錬金術師!エドワード・エルリック!」
店主が叫ぶと、客たちは鎧の周りに集まった。
「いやあ、あんたが噂の天才錬金術師!ナルホド!こんな鎧を着てるから、二つ名が『鋼』なのか!」
「あの・・ボクじゃなくてーー」
尊敬の眼差しを向けられ、鎧はすまなそうに少年を指差した。
店主は疑わしそうに、少年を振り返る。
「へ!そっちのちっこいの?」
「誰が豆つぶドちびかーーッ!!」
少年ーーエドワード・エルリックは、声を張り上げる。
「ボクは、弟のアルフォンス・エルリックです」
鎧の人物ーーアルフォンスが名乗ると、エドワードは更に声を張り上げた。
「オレが、鋼の錬金術師!エドワード・エルリック!!」
「し、失礼しました」
エドワードの剣幕に、店主は、しどろもどろで謝まった。
「全く、おいアル。早く神殿とやらに行ってみるぞ」
「うん。それじゃ、お騒がせしましたー」
肩を怒らせて歩く兄エドワードと、彼より大きい弟のアルフォンスを、全員が茫然と見送った。
だが、店主と客以外にもうひとり。2人を見送った者がいた。
「国家錬金術師、エドワード・エルリック・・」
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