第3章 イーストシティの怪
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「さて、本題に入るがーー傷の男の件だけでなく、近頃の東部は非常に不穏な状況だ」
いつも楽観的な言い方をするマスタングには珍しく、慎重な構えだ。
「あの、テロリスト達のことか?確かに物騒だけどーー全部捕まえたんだろ?」
エドワードの言葉を、鼻で笑う。
「あの程度の小物など、問題ではない。東部で多発している、失踪事件の事だ。今やセントラルでさえ、この話題で持ち切りだ」
「失踪事件?」
殺人鬼の次は失踪事件。
田舎を旅することの多い2人には、遭遇することのない事件ばかりだ。
「東部の各地で、人々が失踪するという、奇怪な事件が多発している。全ての住民が、消えた村まである。それも突然、一夜にしてーーだ」
目の前に広げている、調査書類に一瞥した。
「原因は不明。捜査は難航。見えない恐怖に怯え、人々は軍に不満をぶつけ始めた。
最近は、『怪物の仕業だ』『人が地面に吸い込まれた』などと、ふざけた噂まで流れる始末だ」
忌々しそうに、マスタングは言った。
「怪物・・」
エドワードは、ポツリと呟いた。
「各地を旅している君たちなら、我々の知らぬ情報も、あるかと思ってな。呼び出したのは、そういう理由だ」
「って言っても、怪物の噂なんてなぁ~」
ヒューズが、眉を下げて腕を組む。重くなった空気に、ワザと明るく言った。
それが耳に入る様子もなく、エドワードとアルフォンスは視線を絡ませる。
「兄さん・・」
エドワードは頷いた。
「大佐、俺たちリオールで、怪物に襲われたんだ」
「怪物だと?」
俄かに信憑性を帯びた噂に、マスタングは目を見張る。
「あぁ。コーネロって奴の神殿で、襲われたんだよ。そん時、マリィも一緒だったんだ。アイツにも、聞いてくれ。今、呼んでくるから」
それだけ言うと、エドワードは執務室を飛び出した。
「あ、兄さん!」
「マリィって?」
ヒューズは、アルフォンスに尋ねる。
「あ、あの、リオールで知り合ったんです。理由があって、ボクたちと旅をしてるんです」
「へ~、一緒にねえ・・」
はっきりしない説明だったが、ヒューズはそれ以上訊かなかった。
「ーー知っているのか?君たちの事情を」
訝し気に、マスタングは尋ねる。
「あ、はい・・」
「じゃあ、賢者の石のこともか?」
驚くヒューズに、アルフォンスは頷いた。
マスタングとヒューズは顔を見合わせたが、それ以上は何も言わなかった。
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