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オーピッツからバスに揺られて1時間。
アニスはようやく、目的地へついた。
バスを降りると、目の前に広がる田園風景に目を見張る。
「ひろ~~~い!!これぜ~んぶ、あのお家の土地なんだ」
見渡す限りブドウの葉で覆われた畑に、作業をしている男たちが見え隠れする。
「だから、お給料もいいんだ。昼間は、お嬢さまと一緒に勉強させてくれるって言ってたし。
いいところに就職出来て良かった」
アニスはトランクを持ち直すと、作業中の農夫に尋ねる。
「すいませーん!お屋敷には、どう行ったらいいですか?」
手を振って声を張り上げると、脚立に乗って枝の剪定をしていた男が振り返った。
アニスの姿を見つけると、脚立を降り、首に巻いたタオルで顔を拭きながら近づいて来る。
「お屋敷に、何の用だい?お嬢ちゃん」
ニコニコと尋ねる男に、アニスは慌てて頭を下げる。
「私、今日からお屋敷で働かせていただくことになった、アニス・グリーンです」
「ああ、あんたかい?お嬢さまのお世話係は」
「はい!」
元気に返事をするアニスを、目を細めて眺める。
アニスの栗色の髪は、肩の下で緩くカールしている。
緑色の大きな瞳は、くるくると表情を変え。
服から覗く日に焼けた肌は、見るからに健康そうだ。
「年はいくつだい?」
「14です」
「そりゃあいい!お嬢さまは病弱で、あまり外に出られなくてね。友だちがいないんだよ。きっと、お喜びになるよ」
思いがけない歓迎の言葉に、緊張していた頬が緩む。
「ホントですか!?一生懸命働きます。よろしくお願いします!」
自分に頭を下げるアニスに、男は笑う。
「ははは。それは、旦那様に言うといい。お屋敷は、その道を真っ直ぐ行った先だ」
「はい!ありがとうございます!」
アニスはもう一度頭を下げると、屋敷への道を歩き出した。
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