第1章 リオール
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赤い指輪 2
再び、コーネロを追って走る。
「アル、左じゃない?」
マリーゴールドは、突き当たりのT字に別れた通路を見て言った。
その声に、アルフォンスは辺りを見渡す。おそらく右は、聖堂の方角だ。
前を走るエドワードは、通路を右に曲がる。アルフォンスは、慌てて呼び止めた。
「違うよ!兄さん、こっちこっち!!」
「おっと!」
急ブレーキを掛けたエドワードは、そのまま勢い良く方向転換した。
ゴンッ!!!
「ぬ゛おっ!!」
「エドッ!!」
鈍い音を立てて、エドワードはアルフォンスの鎧に、顔面からぶつかった。
「何やってんだよ!アル~!!」
顔を押さえたせいで、くぐもった声になった。マリーゴールドが傍へ来る。
「エド、大丈夫!?」
「~~~~」
エドワードは、痛みに耐えていた。
「兄さん、あれーー」
兄思いのアルフォンスが、エドワードのケガを気にもせずに、前方を凝視している。
アルフォンスが指差す薄暗い通路の先には、ひっそりと、女性が立っていた。
「キミは・・誰?」
何も言わない女に、震える声で、アルフォンスは尋ねる。
すると、意を決したように、女は足を踏み出した。
片側で毛先だけ束ねた、薄翠の長い髪。
遺跡の壁画に描かれていそうな、古風な民族ドレス。
涼し気な、ブルーグリーンの瞳。
胸にはーー赤い石の首飾り。
アルフォンスは、思わず後退る。
女は、エドワードとマリーゴールドの前で足を止めると、2人を交互に見た。
マリーゴールドとエドワードも、見つめ返す。
女はエドワードと視線を合わせると、手を差し出した。その手がゆっくり開く
「・・?」
掌に、赤い琥珀のついた指輪がのっていた。
台座に填められた琥珀が、赤い光を放つ。
指輪と女の顔を、交互に見る。
彼女の瞳に強い意志を感じ、エドワードは右手を上げる。
機械鎧が、音を立てて指輪を摘み上げた。
「兄さん・・」
アルフォンスが、恐々覗き込んで来た。
その間、女はマリーゴールドを凝視する。
あ、またーー
『ーーーー、ーーー』
『ーーー!?』
よく、聞こえない。お茶が冷めてしまう。
ーーーは、ドアをノックした。
ドアを開けると深々と頭を下げ、一礼する。
『失礼致します。お茶をお持ちしました。ーー様』
今度は、声だけじゃなかった。
脳裏に、映像が浮かぶ。
あれはーーお父様…?
.
再び、コーネロを追って走る。
「アル、左じゃない?」
マリーゴールドは、突き当たりのT字に別れた通路を見て言った。
その声に、アルフォンスは辺りを見渡す。おそらく右は、聖堂の方角だ。
前を走るエドワードは、通路を右に曲がる。アルフォンスは、慌てて呼び止めた。
「違うよ!兄さん、こっちこっち!!」
「おっと!」
急ブレーキを掛けたエドワードは、そのまま勢い良く方向転換した。
ゴンッ!!!
「ぬ゛おっ!!」
「エドッ!!」
鈍い音を立てて、エドワードはアルフォンスの鎧に、顔面からぶつかった。
「何やってんだよ!アル~!!」
顔を押さえたせいで、くぐもった声になった。マリーゴールドが傍へ来る。
「エド、大丈夫!?」
「~~~~」
エドワードは、痛みに耐えていた。
「兄さん、あれーー」
兄思いのアルフォンスが、エドワードのケガを気にもせずに、前方を凝視している。
アルフォンスが指差す薄暗い通路の先には、ひっそりと、女性が立っていた。
「キミは・・誰?」
何も言わない女に、震える声で、アルフォンスは尋ねる。
すると、意を決したように、女は足を踏み出した。
片側で毛先だけ束ねた、薄翠の長い髪。
遺跡の壁画に描かれていそうな、古風な民族ドレス。
涼し気な、ブルーグリーンの瞳。
胸にはーー赤い石の首飾り。
アルフォンスは、思わず後退る。
女は、エドワードとマリーゴールドの前で足を止めると、2人を交互に見た。
マリーゴールドとエドワードも、見つめ返す。
女はエドワードと視線を合わせると、手を差し出した。その手がゆっくり開く
「・・?」
掌に、赤い琥珀のついた指輪がのっていた。
台座に填められた琥珀が、赤い光を放つ。
指輪と女の顔を、交互に見る。
彼女の瞳に強い意志を感じ、エドワードは右手を上げる。
機械鎧が、音を立てて指輪を摘み上げた。
「兄さん・・」
アルフォンスが、恐々覗き込んで来た。
その間、女はマリーゴールドを凝視する。
あ、またーー
『ーーーー、ーーー』
『ーーー!?』
よく、聞こえない。お茶が冷めてしまう。
ーーーは、ドアをノックした。
ドアを開けると深々と頭を下げ、一礼する。
『失礼致します。お茶をお持ちしました。ーー様』
今度は、声だけじゃなかった。
脳裏に、映像が浮かぶ。
あれはーーお父様…?
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