第1章 リオール
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3人の咎人 1
霊安所の壁が、音を立てて動きだした。
壁の奥の暗闇から、唸り声が聞こえる。
「ぬっふっふ・・」
コーネロは、自信たっぷりに笑う。
暗闇を見つめていた、ロゼの顔色が変わった。
中から現れた声の主に、息を呑む。
「ぁあっ!?」
足音を立てて現れたモノは、獅子の半身とトカゲの半身の獣だった。
自然では、決して有り得ない姿。
「合成獣 かーー」
恐らく、2、3種類の動物と爬虫類を、錬金術で合成したのだろう。
「ひっ!!」
短い悲鳴を上げ、マリーゴールドは後退る。
「マリィ、ボクの後ろへ」
アルフォンスの落ち着いた声が、マリーゴールドを呼ぶ。
彼女は合成獣に怯えながら、アルフォンスの影に隠れた。
「さあ、いけ!!その3人を噛み殺してしまえ!!」
それを合図に、合成獣は地響きを立てて、エドワードに迫る。
「あぁっ!!」
「エド!!」
ロゼが目を見開き、マリーゴールドがエドワードの名を叫んだ。
合成獣が、エドワードの右腕に喰らいつく。
エドワードは悲鳴を上げるどころか、腕に噛みついた合成獣を、見ようともしない。
「何で助けないの!?アル!!エドが死んじゃう!!」
アルフォンスは、兄の様子を身動きもせずに、じっと見つめている。
「むーー」
コーネロは、様子がおかしい事に気づく。
噛みついた合成獣が、いつまで経っても腕を喰い千切れない。
しかも、エドワードは平然としていて、痛がる素振りさえ見せない。
赤いコートだけが、爪に引き干切ぎられていく。
「何をやっている!遊んでないで、そのまま腕を喰い千切ってしまえっ!!」
「どうした、ねこ野郎。しっかり味わえよ」
懸命に腕を喰い千切ろうとしている合成獣に、エドワードは他人事のように声を掛けた。
刹那、エドワードは右足を軸に身体を回転させ、左足で思い切り合成獣を蹴り飛ばした。
「ギャフッ!!」
ボスっと鈍い音を立て、腹を蹴られた合成獣が、声を上げて転がった。
「ぬおっ!?」
「エド!!」
駆け寄ろうとしたマリーゴールドを、アルフォンスは手で制した。
「アル!?」
「ロゼ、よく見ておけ。これが人体錬成を、神さまとやらの領域を犯した、咎人の姿だ」
引き千切れたコートを、エドワードはゆっくり脱ぎ捨てた。
その下から現れた腕はーー
「鋼の義肢・・機械鎧 ・・」
忌々しそうに、コーネロは呟いた。
弱冠12才にして、国家資格を手に入れた
その錬金術師の二つ名はーーー
「そ、そうか。鋼の錬金術師ーー」
エドワードは、ゆっくりと機械鎧の手を握り締めた。
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霊安所の壁が、音を立てて動きだした。
壁の奥の暗闇から、唸り声が聞こえる。
「ぬっふっふ・・」
コーネロは、自信たっぷりに笑う。
暗闇を見つめていた、ロゼの顔色が変わった。
中から現れた声の主に、息を呑む。
「ぁあっ!?」
足音を立てて現れたモノは、獅子の半身とトカゲの半身の獣だった。
自然では、決して有り得ない姿。
「
恐らく、2、3種類の動物と爬虫類を、錬金術で合成したのだろう。
「ひっ!!」
短い悲鳴を上げ、マリーゴールドは後退る。
「マリィ、ボクの後ろへ」
アルフォンスの落ち着いた声が、マリーゴールドを呼ぶ。
彼女は合成獣に怯えながら、アルフォンスの影に隠れた。
「さあ、いけ!!その3人を噛み殺してしまえ!!」
それを合図に、合成獣は地響きを立てて、エドワードに迫る。
「あぁっ!!」
「エド!!」
ロゼが目を見開き、マリーゴールドがエドワードの名を叫んだ。
合成獣が、エドワードの右腕に喰らいつく。
エドワードは悲鳴を上げるどころか、腕に噛みついた合成獣を、見ようともしない。
「何で助けないの!?アル!!エドが死んじゃう!!」
アルフォンスは、兄の様子を身動きもせずに、じっと見つめている。
「むーー」
コーネロは、様子がおかしい事に気づく。
噛みついた合成獣が、いつまで経っても腕を喰い千切れない。
しかも、エドワードは平然としていて、痛がる素振りさえ見せない。
赤いコートだけが、爪に引き干切ぎられていく。
「何をやっている!遊んでないで、そのまま腕を喰い千切ってしまえっ!!」
「どうした、ねこ野郎。しっかり味わえよ」
懸命に腕を喰い千切ろうとしている合成獣に、エドワードは他人事のように声を掛けた。
刹那、エドワードは右足を軸に身体を回転させ、左足で思い切り合成獣を蹴り飛ばした。
「ギャフッ!!」
ボスっと鈍い音を立て、腹を蹴られた合成獣が、声を上げて転がった。
「ぬおっ!?」
「エド!!」
駆け寄ろうとしたマリーゴールドを、アルフォンスは手で制した。
「アル!?」
「ロゼ、よく見ておけ。これが人体錬成を、神さまとやらの領域を犯した、咎人の姿だ」
引き千切れたコートを、エドワードはゆっくり脱ぎ捨てた。
その下から現れた腕はーー
「鋼の義肢・・
忌々しそうに、コーネロは呟いた。
弱冠12才にして、国家資格を手に入れた
その錬金術師の二つ名はーーー
「そ、そうか。鋼の錬金術師ーー」
エドワードは、ゆっくりと機械鎧の手を握り締めた。
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