エピローグ
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「・・・どうしても、わからないことがあるのですがーー」
躊躇いがちに、ホークアイがマスタングを見る。
「何だ?」
ホークアイは、遺跡の中でゴーレムに対して好戦的だった、マリーゴールド の様子を思い返していた。
「どうして、エルマさんのように、マリィちゃんは怪物にならなかったのでしょう?怪物になってしまうことは、銀弾の錬金術師ーージャック・クロウリーでさえ防げなかったというのに・・・」
ホークアイがそう問うと、ハボックはマスタングを一瞥する。
彼は、マスタングたちが塔の中にいる時に 、マリーゴールドがゴーレムに変貌の際、彼女を撃つように命令されていた。
それは、軍人として当然の命令であり、尚且つ、エドワードたちへの配慮かもしれない。
だが、それを託してしまった。自分よりずっと幼い少年に。
だからあの時、詫びの言葉がすぐに口をついた。
暫し沈黙した後、慎重に言葉を選びながら、マスタングは語り出した。
「・・・あまり、非化学的なことを考えるのは性に合わんのだがーーー思うに、アニス・グリーンが抑えていたのではないだろうか」
マスタングは、マリーゴールドの瞳の奥に見えた、少女の顔を思い出す。
「どうやってーーですか?」
「自分を材料にマリィを錬成する時、当然、核になる赤い石もあっただろう。その赤い石に、自分の魂を錬成したのではないだろうか。
鋼のが、アルフォンスの魂を鎧に定着させたように。
無論、怪物への変貌を防ぐためではなく、生きたいという願いからだと思うがーーー
生きていれば、さぞや優秀な錬金術師になっていただろう」
エルマは、ゴーレムとして破壊と殺戮を抑えるものがなかった。だから、エドワードに自分を止めてくれと懇願したのだろう。
だが、すべては推測に過ぎない。それでも、もし、あの赤い石がなければ、ジャック・クロウリーの人生も違っていたのだろうか。
「なぁ、中尉・・・」
窓の外に、しばし哀しい眼を向ける。
「はい」
「 マリーゴールドの錬金術は、マリーゴールド自身を守るためだと言ったら、アニスーー彼女の優しさに、甘えすぎだろうか?」
「さぁ・・ただ」
「ただ?」
「そうであって欲しいとーー思います」
太陽は真上に近くなり、砂からは陽炎が立ち上り車内に熱風が吹き込んできた。
その風に乱された髪をかきあげ、マスタングは再度事件の終結を告げるように一同を見渡した。
「私は後始末でしばらく動けん。中尉、例の案件、頼んだぞ」
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