最終章 赤い涙
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エルマは、崩れ続ける部屋のことなど、一向に気にならない様子でクロウリーの足下に膝をついた。
幸せなのだ。
やっと訪れた平穏に。
もう苦しみも哀しみもない、ふたりだけの刻に。
部屋が崩壊するほどに、幸福感は増していく。
うっとりと満たされた表情で、エルマはクロウリーの膝に持たれる。
部屋の中心には、 マリーゴールドが立っていた。エルマを見て、微笑む。
エルマも笑みを返し、ゆっくりと瞬きをする。
目を開けるとーーー
マリーゴールドの姿はなく、かわりに、栗色の髪の少女が立っていた。彼女の足元には、黒い水溜まりが出来ている。
彼女は、黒い水溜まりに浮かぶ、薄紫と薄桃色のブレスレットを大事そうに拾い上げた。
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