最終章 赤い涙
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解読作業をしているアーレンの手元を、落ち着かない様子でアルフォンスは覗き込む。
「どうですか?」
「まあ待て。焦らせるんじゃねえ」
「ーー兄さん、マリィ ?」
エドワードが隣にいないことに気づき、部屋を見渡した。
エドワードは、マリーゴールドと並んで、玉座らしき椅子に座るミイラを見ている。
「エド・・・自分で選んだとは言え、クロウリーさんもお父さんも、絶対に許されないことをしてしまったの。だから・・・」
「そうか、そのミイラはーーー」
魂亡き後、朽ち果てたジャック・クロウリーの身体。
彼は、自分の亡骸をどんな気持ちで見ていたのだろう。
或いは、エルマのために棄てたものなど、見向きもしなかったのだろうか。
「ーー小僧、石を壊す方法がわかったぞ!」
その言葉で、アーレンの廻りに集まる。
「これを見ろ。台座の廻りにそって錬成陣が書いてあるだろ?」
「ほんとだ。でも、なんで発動しないんだろ?」
「あいつが錬成陣を分断してるんだ」
アーレンは台座の周りに置かれている三角形の置物を指差した。確かに、それが錬成式を分断している。
「じゃあ、それを元の形に戻せば、陣が完成するんだな」
「あぁ、そうだ。それで、エリクシルを破壊する準備が整う。こっから先は、お前らの分野だ。頼んだぞ」
エドワードは、ひとつひとつ障害物を錬金術で元の形へ戻す。
「錬成陣がーー出来たぞ」
「あぁ・・これで、全てが終わるーーー」
アーレンは、肩の荷を下ろしたように言った。
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