最終章 赤い涙
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『錬金術の基本は、等価交換なの』
『 等価交換? 』
意味がわからないと言った顔で、マリーゴールドは隣に座るアニスを見る。
『何かを得たいのなら、それと同じだけの対価を払わなければならないのよ』
『ふ~ん・・じゃあ、命を対価にすれば、人が造れるの?アニス』
マリーゴールドの問いに、アニスは首をかしげ宙を見る。
『う~ん、やったことないし・・それに人体錬成はね、錬金術師最大の禁忌なの。やったら重罪なんだよ』
『そうなの!?』
驚くマリーゴールドに、今度はアニスが問う。顔を寄せ、声を潜めて。
『人体錬成なんて、誰から聞いたの?』
『お父様が、この間から訪ねてくる方と、話しているのを聞いたの。人体錬成が出来るとか出来ないとか・・・』
『旦那さまが?』
『マリーゴールド』
ベッドで上半身を起こして、アニスとたわいもない話をしていると、初老の男が顔を覗かせた。
椅子に座っていたアニスは、慌てて立ち上がる。
『お父さま、お帰りなさい』
『お帰りなさいませ、旦那さま』
ルイーニは、2人の顔を見ながらニコニコとベッドサイドに歩み寄る。
『セントラルはどうだった?』
『相変わらず、賑やかだったよ。これは土産だ』
父親から手渡された箱を、両手で受け取る。
包みを開くと、薄いピンク色の水晶のブレスレットが入っていた。
マリーゴールドは歓声を上げる。
『わあ!ブレスレット!ありがとう、お父さま!』
『これは、アニスにだよ』
『私にも!?ありがとうございます、旦那さま』
マリーゴールドに促され、アニスも箱を開ける。中には薄紫のアメジストのブレスレット。
『これからも、マリーゴールドのことを宜しく頼むよ』
ルイーニは、優しく微笑んだ。
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