第11章 石の記憶
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幸せな時間は、永くは続かなかった。甦ったエルマは、ある日、突然土に還った。
『エルマ・・嘘だ・・もう一度ーー次こそは完全なエルマをーー!!』
『クロウリー、もうやめよう!何度蘇らせたって、結局いつか泥水になっちまう。最初から無理だったんだ。死者を蘇らせるだなんてーー俺たちは神じゃないーー!!』
嘆き悲しむクロウリーに、アーレンはそう言った。
『黙れアーレン!!お前は、私の言うことを黙って聞いていればいいのだ!!』
『ーー!!クロウリー・・』
『やはり、アレが必要なのかーー』
クロウリーは、赤い石を手にした。
『私は、後悔などしない。エルマの命は、他の誰よりも尊い。たとえ、悪魔と呼ばれようと。その紅き光ーーエリクシルという奇跡で、私のエルマを、完全なるエルマを造りだす』
『クロウリー、お前にはもうついていけない・・・ごめんよ、エルマーー』
エルマを甦らせることに必要なまでに固執する彼に、アーレンは別れを告げた。
何度も生き還るエルマは、自分の為に払われる犠牲に心を痛める。
『お願いよ、クロウリー。これ以上過ちを犯さないで。あなたが苦しむ必要はないの。私のために、他の人の命をつかわないで』
苦しいーー私が消えていく・・
私はーー死んだままでいい
でないとまたーー誰かを傷つけて
エリ・・ク、シル・・・
グルゥゥゥ・・ガアアアーーッ!!!
私が壊れる
いつあなたに、襲いかかるかわからない
苦しい・・苦しい、苦しいーーー!!!!
人の姿は壊れ、怪物へと変わっていく。
止められない変貌
求めてしまう殺戮
お願い あのヒトを止めて
私は あのヒトを殺したくない
誰か・・・
だれかーーー
ダレカーーー!!!
私の身勝手な願いを叶えて
『 私は死なない。エルマと、永遠の愛を誓ったのだ』
クロウリーは自ら魂を、ゴーレムに錬成した。エルマと供に、永遠に生きるために。
ウオオオオオオォォーーー!!!!
『ワタシハ、スベテヲ、トリモドス』
銀弾の錬金術師は、人を棄て、ゴーレムになった。
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