第11章 石の記憶
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『契りを交わしたあの日から、喜びも悲しみも、全てを共にしてきたではないか。君はなぜ、私を置いて逝ったのだ』
錬成陣の中央に、エルマによく似た女性が横たわっていた。その傍らで、膝をつく男。
『諦めることなど、できようかーー
諦めることなど、できぬ!!甦れ、王妃よ。永遠の生と共にーーー!!!』
青白い光が、王妃を包んだ。
光が消えると、街が見えた。さっきまでいた、シャムシッドの街によく似ている。
その街を、巨大な黒い塊が人々を蹴散らしながら歩いている。
『なんだ!?あの巨大なゴーレムは!!ぎゃあああっっーー!!』
『なぜゴーレムが!?王よ!我らがレビスの王よ!ゴーレムたちの怒りをお鎮めにーー!!あああああっ!!』
『見捨てろーーこの国の、終末の刻がきた・・・皆逃げるのだ!できるだけ遠くへ!!』
逃げ惑う人々。上がる火柱と黒煙。夜だというのに、街は赤々と燃える炎で昼間のように明るかった。
王宮からその様を見た王は、嘆き悲しんだ。
『これは・・・悪い夢だーー私は取り返しのつかぬことをーーー』
民を殺し、兵を薙ぎ払ったゴーレムは、やがて王の前に現れた。
『ーー私を殺すのか?そうか・・すまなかったな・・・』
足が、王の身体を打ち砕いた。王はゴーレムに向かって呟いた。
『君を・・愛しているーーー』
そこで終わった。
エドワードとマリーゴールドは、顔を見合わせる。
「今のは、昔のレビスの王の記憶?」
「この赤い石がーー記憶した?」
「あっちにもあるぞ」
新たに光り出した石に、2人は近寄った。
.
