第11章 石の記憶
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【アニス・グリーン】
「マリーゴールド」
「え?あ、マスタング大佐!」
祈るように戦況を見守っているマリーゴールドの背後から、マスタングは声を掛けた。
しかし、振り向いた彼女と目をあわせる間もなく、エドワードたちが戦っている相手に瞠目する。
「なんだ!?あのゴーレムは?」
「クロウリーさんです」
「クロウリー!?」
隆隆とした黒い体駆、猛獣のような声。人知を越えた姿は、まるでゴーレムの王のようだ。
唯一クロウリーの面影があるとしたら、銀色の髪くらいだ。
その姿に驚愕しながらも、マスタングたちはすぐに冷静さを取り戻す。
「戦況はーー互角でしょうか?」
アームストロングの問いに、マスタングは戦いを分析し口角を僅かに上げる。
「いや、鋼のが押している」
2人は、先程と同じく赤い石を集中的に狙っていた。
「アル!身体から切り離すだけじゃダメだ!!壊すんだ!!」
「うん、わかった!!」
エドワードの突起錬成がクロウリーの視界を遮る。その隙に、鎧とは思えないほど素早い動きでアルフォンスがクロウリーの身体を打ち砕く。
動きが止まったところを、鋼剣が赤い石を斬り刻む。
ガアアアアアアーーーッ!!!!
断末魔の叫びを上げ、クロウリーの身体がドロドロと崩れ落ちた。
それを見たエドワードとアルフォンスは、拳を下ろす。
「終わったーー終わったぜ・・じーさん。エルマさんーー」
「・・・・・」
半ば放心したように呟くと、後ろから足音が近づいて来る。
「やったな。鋼の」
「エド!アル!」
「大佐。マリィーー」
エドワードの眼に、マスタングたちと走ってくるマリーゴールドの姿が映った。
その刹那、エドワードの背後で火柱が上がる。
「おわっーー!!」
金髪が焼けるかと思う程の熱風が吹き付けた。
「何すんだよ、大佐!」
抗議するも、マスタングは指を突き出したまま、前方を凝視している。
アルフォンスは、マスタングの視線の先を見て叫ぶ。
「兄さん、あれ!?」
「あ、あれはーー!!!」
崩れたクロウリーの身体が、山のように盛り上がっていた。その中に、彼の髪も爪も融けていく。
そのあまりの大きさに、思わず後図去る。
「おわっーー!!」
「どういうことだーー鋼の!?」
苛立ちの混ざる鋭い眼がエドワードを一瞥する。
「ーー復活した!?」
再び高く乾いた音がして、炎が巨大なゴーレムの身体を焼く。
だが、直ぐに再生してしまう。
ホークアイが銃を構え、アームストロングも青い軍服を脱ぎ捨てる。
「兄さん!!赤い石だーー!!石を壊さないとーー!!!」
「何か方法があるなら早くしろっ!!!長くは持たんぞッ!!!」
悲鳴のようなマスタングの声に急かされ、ホールを見渡す。すると、奥に薄く開いた扉が見えた。
「ーー!!あの奥かッ!!!」
「小僧、俺も行くぞ」
「大佐!もう少し時間を稼いでくれッ!!」
火花を飛ばしたその指で、マスタングは3を示す。
「これで、貸し三つだなーーー行け!!」
不敵に笑い、促した。頷いて走り出したエドワードに続こうと、マリーゴールドが一歩踏み出したその時ーー
「マリーゴールド!」
マスタングの声に、立ち止まり振り向いた。
「君が決めたまえ!君自身のことを!!」
そう告げた漆黒の眼差しに、揺るぎない決意を宿した碧の瞳が頷いた。
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「マリーゴールド」
「え?あ、マスタング大佐!」
祈るように戦況を見守っているマリーゴールドの背後から、マスタングは声を掛けた。
しかし、振り向いた彼女と目をあわせる間もなく、エドワードたちが戦っている相手に瞠目する。
「なんだ!?あのゴーレムは?」
「クロウリーさんです」
「クロウリー!?」
隆隆とした黒い体駆、猛獣のような声。人知を越えた姿は、まるでゴーレムの王のようだ。
唯一クロウリーの面影があるとしたら、銀色の髪くらいだ。
その姿に驚愕しながらも、マスタングたちはすぐに冷静さを取り戻す。
「戦況はーー互角でしょうか?」
アームストロングの問いに、マスタングは戦いを分析し口角を僅かに上げる。
「いや、鋼のが押している」
2人は、先程と同じく赤い石を集中的に狙っていた。
「アル!身体から切り離すだけじゃダメだ!!壊すんだ!!」
「うん、わかった!!」
エドワードの突起錬成がクロウリーの視界を遮る。その隙に、鎧とは思えないほど素早い動きでアルフォンスがクロウリーの身体を打ち砕く。
動きが止まったところを、鋼剣が赤い石を斬り刻む。
ガアアアアアアーーーッ!!!!
断末魔の叫びを上げ、クロウリーの身体がドロドロと崩れ落ちた。
それを見たエドワードとアルフォンスは、拳を下ろす。
「終わったーー終わったぜ・・じーさん。エルマさんーー」
「・・・・・」
半ば放心したように呟くと、後ろから足音が近づいて来る。
「やったな。鋼の」
「エド!アル!」
「大佐。マリィーー」
エドワードの眼に、マスタングたちと走ってくるマリーゴールドの姿が映った。
その刹那、エドワードの背後で火柱が上がる。
「おわっーー!!」
金髪が焼けるかと思う程の熱風が吹き付けた。
「何すんだよ、大佐!」
抗議するも、マスタングは指を突き出したまま、前方を凝視している。
アルフォンスは、マスタングの視線の先を見て叫ぶ。
「兄さん、あれ!?」
「あ、あれはーー!!!」
崩れたクロウリーの身体が、山のように盛り上がっていた。その中に、彼の髪も爪も融けていく。
そのあまりの大きさに、思わず後図去る。
「おわっーー!!」
「どういうことだーー鋼の!?」
苛立ちの混ざる鋭い眼がエドワードを一瞥する。
「ーー復活した!?」
再び高く乾いた音がして、炎が巨大なゴーレムの身体を焼く。
だが、直ぐに再生してしまう。
ホークアイが銃を構え、アームストロングも青い軍服を脱ぎ捨てる。
「兄さん!!赤い石だーー!!石を壊さないとーー!!!」
「何か方法があるなら早くしろっ!!!長くは持たんぞッ!!!」
悲鳴のようなマスタングの声に急かされ、ホールを見渡す。すると、奥に薄く開いた扉が見えた。
「ーー!!あの奥かッ!!!」
「小僧、俺も行くぞ」
「大佐!もう少し時間を稼いでくれッ!!」
火花を飛ばしたその指で、マスタングは3を示す。
「これで、貸し三つだなーーー行け!!」
不敵に笑い、促した。頷いて走り出したエドワードに続こうと、マリーゴールドが一歩踏み出したその時ーー
「マリーゴールド!」
マスタングの声に、立ち止まり振り向いた。
「君が決めたまえ!君自身のことを!!」
そう告げた漆黒の眼差しに、揺るぎない決意を宿した碧の瞳が頷いた。
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