第9章 愛しい人
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「・・・・・」
「アーレンさんーー」
立ち尽くすアーレンに、そっと声を掛けた。
「エルマは。あのヒトはーー還っていったんだ・・・やっとーー望みが叶ったんだな・・・」
震える声が返ってくる。悲しみに満ちた声。それは、エドワードの胸を押し潰す。
「50年前、俺は、彼女の願いを叶えてやることが出来なかった」
「じーさん、俺ーー」
「ありがとうよ、小僧。お前は、彼女の望み通り、エルマを在るべき姿に戻してやったんだ」
「在るべき姿・・」
アーレンの言葉に、マリーゴールドはエルマがいた場所を見る。
ヒトも、ゴーレムも、最後は土に還るんだ。
「悪いがーーしばらく独りにさせてくれ。あとですぐに追いかける。お前らは先に行け」
「だけどーー」
「俺なら大丈夫だ。元々、お前らは俺を置いていく気だったんだろうが。さあーー早く行ってくれ」
「エドーー」
マリーゴールドがエドワードの腕を引いた。
「ーー分かった。行くぞ、アル、マリィ」
3人がいなくなると、アーレンは改めて部屋を見渡した。
「エルマが喜びそうな部屋だ・・・きっと、あいつがエルマに与えたんだろうな・・・」
エルマを想うクロウリーの愛に、涙が滲む。そして、彼の隣で優しく微笑む彼女が
「エルマーーー」
そんな貴女が 愛おしかった。
.
