第7章 レビスの塔
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マリーゴールドは、窓の傍に置かれたベッドに上半身を起こし、外を眺めていた。
今日は少し、風があるようだ。
庭に植えられた落葉樹の葉が、時々揺れている。
「あ・・・あの人・・」
アプローチから、20代後半の男性がこちら見上げていた。
長い銀色の髪に整った顔立ちだが、黒いロングコートと赤く暗い瞳が、近寄りがたい雰囲気を醸し出している。
コンコンーー
「失礼します、お嬢様」
ノックの後、メイドがドアを開けた。
「あ、おはよう」
「おはようございます」
入室すると、深々と頭を下げる。
マリーゴールドはベッドから出ると、鏡台の前に座る。
メイドが長い髪を梳いている間も、チラチラと窓の外を気にしていた。
「どうかしたんですか?」
「あ、うん・・またあの人が来てるなって・・」
鏡の中のメイドは、暫し逡巡した。
「・・・この間お茶をお持ちした時、旦那さまと、なんだか深刻そうなお話をされてましたよ」
「そう・・ところで」
髪を結い終わると、マリーゴールドは立ち上がった。
「2人の時は、名前で呼んでって言ったでしょ、アニスーー」
「そうでしたーー」
2人は一頻り笑いあった。
「 マリィ、今夜は、あの人がお屋敷に来る日ね」
ベッドを整えながら、アニスが言った。
「あの人?」
「もうとぼけちゃって。マスタング大佐だよ」
「ーーー!!」
窓辺に座って、葡萄畑を眺めていた #マリーゴールド #は耳まで真っ赤に染めた。
昨日から、モンテフォルト家の所有地内で、軍が演習のためのキャンプをしている。
3年前から、こうして冬になると、東方指令部と北方指令部の合同訓練が行われるようになっていた。
山の向こうには、北方指令部がキャンプをしているはずだ。
四方を山に囲まれたこの辺りは、村からも距離があり、軍事演習には具合がいいらしい。
この演習を快く思わない者もいるが、私有地であることと、村人の大部分がモンテフォルト家と主従関係にあるため、強く反対出来なかった。
「カッコイイもんね~マスタング大佐」
「あ、あのね、マスタング大佐は国家錬金術師だから、アニスの錬金術の腕前を見てもらえるようにその、頼んでみようか?」
冷やかすアニスに、 マリーゴールドはしどろもどろに言う。その割りに、手と視線は世話しなく動いている。
「国家錬金術師かぁ~」
ベッドメイクを終わらせたアニスは、テーブルや棚の拭き掃除を始める。 マリーゴールドは邪魔にならないように部屋の隅に移動した。
「私も、いつか国家資格をとって医療の研究したいなーー」
手を動かしながらも、どこか遠くを見る目でアニスは言った。
「アニスなら出来るよ!だって、独学でも凄いもの」
「ありがとう、マリィ 。それはともかく、練習しなくていいの?マスタング大佐とダンスを踊る約束したんでしょ?いまのステップじゃ、とても大佐とは踊れないよ」
「そうでした・・」
マリーゴールドは、しょんぼりと肩を落とした。
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