第7章 レビスの塔
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「あの軍人ーー」
食事を終えたアーレンは、パイプに火を着けながら口を開く。
マリーゴールドがいなくなってしまったので、アーレンが使った食器はアルフォンスが片付ける。
「マスタング大佐のことですか?」
「あぁーーあの男、かなりの切れ者だな。しかも、いい男だ」
「指令部でも、モテモテですよ」
「だろうな」
納得するアーレンに、エドワードは腕を組んでそっぽを向いた。
「へっ、大したことねえよ、あんな奴」
「小僧、お前があの男と肩を並べるのは、十年先だな」
「へーへー、どうせ俺は子供ですよ~」
唇を尖らせて拗ねる兄の態度に、アルフォンスは笑いをこらえる。
「それにーー」
まだあんのかよ、とエドワードは呟いた。マスタングを褒め称える言葉など、これ以上聞きたくない。
「あの男の背中は、何かを護っている」
「何かって・・?」
「そこまではわからん」
吸い込んだパイプの煙を、アーレンはゆっくり吐き出した。
ホークアイに着いていくと、マスタングはテントの外で待っていた。
「マスタング大佐、あのーー」
「疲れているのに、すまない。君に少し話があるんだ。ここではなんだからーー」
ホークアイを下がらせると、マスタングは歩き出す。
黙ってエドワードたちに着いて行ったことを咎められるのだろうか。
#マリーゴールド #は不安な顔で後を着いて行く。
やがて、マスタングは丘のいちばん上で足を止めた。
丘の上につづく暗い空には大小無数の星が瞬き、それは地平線まで続いている。
眼下には、星明かりに照らされたレビスの遺跡が黒いシルエットで浮かんでいた。
遺跡は静まり返っていて、先程までの戦闘がまるで嘘のようだ。
ーーーキレイ・・
「 マリィ、君の屋敷で、私と会った時のことを覚えているかい?」
星空に魅とれていると、唐突にマスタングが問い掛けてきた。ズボンのポケットに手を突っ込み、優しい笑みを向けて。
「えーーあ・・・ごめんなさい、私、記憶がーー」
「そうか、それは残念だ。ホークアイ中尉ーーいや、あの頃は少尉だったなーー彼女も君のことを気に入っていたな」
「覚えてないけど・・でも、私もリザさん好きです。キレイで強くて、優しくて・・」
ボードワンを調査した時、怪物に怯むことなく立ち向かっていく彼女の勇気に、マリーゴールドは感動さえしていた。
そんな様子に微笑みながらも、マスタングは更に問い掛ける。
「私と交わした約束を、覚えているかい?」
「大佐と約束ーーですか?」
「そうだ」
「・・・ご免なさい、何も覚えていません・・・」
「そうか・・それは残念だな。楽しみにしていたんだが、君とーー」
ポケットから両手を抜くと、マリーゴールドの肩を掴んだ。力のこもった掌に、マリーゴールドは反射的に身体を固くした。
「ーーー!!」
見下ろすマスタングと眼が合うと、乱暴に肩を引かれた。一見、華奢に見える彼の胸は、厚く逞しかった。その胸にぶつかると、肩を掴んでいた掌は背中と右手に廻った。
「こうやって、ダンスをすることをーーー」
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