第6章 古の都
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赤い石の出所など不明の点もあったが、一連の事件の概要はわかった。
そう思ったとき、エドワードは、ふと思い出したように、コートのポケットに手を突っ込んだ。
「そういえば・・・じーさん、俺、あのねーちゃんと最初に会った時、こんな物を渡されたんだけどーー」
レト教の神殿で、エルマに手渡された、赤い琥珀の中に練成陣のような紋章がある、あの指輪だ。
その指輪を見たアーレンは、驚きに目を見開いた。
「・・・これは、レビスの指輪じゃないか!!」
「レビスの指輪?」
「あぁ。オレがシャムシッドで発掘した、王族のみに継承される特別な指輪なんだ・・・エルマにプレゼントしたものだ。
そうか、エルマは初めから、お前らをここに呼ぶつもりで・・・」
エドワードの手から指輪をそっと摘まむと、懐かしそうに目を細める。
指輪の向こうに、さっき言っていた、幸せだったあの頃を思い出しているだろうか。
暫くして、深いため息とともに、アーレンはエドワードの手に指輪を戻した。
「奥の、礼拝広場へいってみないか・・」
「え、あぁ・・」
アーレンの先導で、神殿の奥にある礼拝広場へ行った。
広場は円形で、中央に丸い台座のあとが残っていた。この台座の上にも、女神像があったのかもしれない。
太陽の光りを照り返すその場所を、眩しそうに見渡しながら、アーレンはゆっくりと口を開く。
「小僧ーーすまねえ。オレのせいで、お前らを危険な目に合わせて・・・」
「な、なんだよ急に、気持ちがわりぃな。別に、じーさんが悪いワケじゃねーよ。あのクロウリーがだなーー」
改まった口調で言われ、エドワードは慌てる。
「いや、オレが悪いんだ。クロウリーを止められなかった挙げ句、オレは奴から逃げたんだ。だから、責任はオレにあるんだ」
「そんな、アーレンさんは別にーー」
アルフォンスも、アーレンを擁護しようとした時だった。
ーー違うわ・・アーレン
悲しみに満ちた声が聞こえた。
「えっ!?」
振り返ると、女神像にそっくりなーージャック・クロウリーの恋人、エルマが立っていた。
その姿は、かげろうのように儚かった。
「エ、エルマ!!」
「アーレンじゃない・・私が、悪いの。私がいるから・・あの人はーー」
「エルマ、何を言ってるんです。あなたはーー」
悪くないーーー
そう、続けようとしたアーレンを遮るように、エルマは言った。
「もう、時間がないの。どうか、私の・・最後のお願いーー」
「え?何?俺に言ってるのか?」
エルマの視線は、エドワードに向いていた。
その視線に込められた、哀しくも強い意思に、エドワードはたじろぐ。
「お願い、殺してーー私を・・殺してーー」
「エルマ!!」
「そして、エリクシルをーー大きな、赤い石をーー」
エルマの懇願を、ホークアイの銃声が妨げた。
「中尉!?」
驚いてホークアイを振り返った。
すると、彼女の銃身の先にはゴーレムが倒れている。
いつの間に囲まれたのか、広場には黒い壁が出来ていた。
話しに夢中になっていて、ゴーレムの存在に気付かなかったらしい。
「気をつけて!!」
慌てて身構えるエドワードとアルフォンスに、ホークアイが叫んだ。
「エルマ、どこかに逃げーーえっ!?いない。エルマ!!どこへいったんだ、エルマ!!」
エルマの姿は、掻き消すように消えていた。
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