第6章 古の都
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ホークアイは、逃げながらも地形を冷静に把握することに勤めていた。
道は、塔を廻るように整備されているようだ。
つまり、どこからでも塔が見える。と同時に、塔からは街の全てが見渡せる。
その道を走り続けていたが、隣で息を切らすアーレンに足を止めた。
エドワードたちと、随分離れたらしく、耳を澄ましても、地の底から響くような化け物の咆哮が、まるで聞こえなくなった。
辺りを見渡したホークアイは、塔を崇めるように立つ、長い階段の上にある建築物に目を止めた。
ーーあそこなら、怪物が来てもすぐわかるわ
「振り切ったようねーーグロースターさん、あの建物の中に隠れられるか見てきます。物陰に隠れていてください」
「ぜえ・・ぜえ・・わかった」
ホークアイが離れると、アーレンは階段の下にある石像の陰に身を隠した。
一方、時間稼ぎのために残った3人は、ゴーレムたちに苦戦していた。
衝撃に弱いという弱点はあるものの、リゼンブールやボードワンに現れたモノより、格段に強い。
「やっぱり、ここがゴーレムたちの本丸なんだよ!強さが桁違いだ!!」
アルフォンスは、自分と同じ体駆のゴーレムを、廻し蹴りで弾き飛ばした。吹っ飛んだゴーレムは、他のゴーレムにぶつかり、共に土へと還っていく。
「 エド!!」
ハンマーで、宙に浮くオタマジャクシのようなゴーレムを叩き落としている マリーゴールドも、悲鳴に近い声でエドワードの名を叫んだ。
倒しても倒しても、沸騰した湯に立つ泡のように、ゴーレムは次々と沸いてくる。
「だめだーー兄さん、いくら倒してもキリがないよ!!」
「そうだなーーこれだけ時間を稼げば、じーさんと中尉も遠くまで離れたろ。俺たちも、ここから逃げるぞ!!」
ゴーレムの長い腕の攻撃をダッキングでかわすと、立ち上がる勢いを利用し、ハイキックで黒い身体を蹴りとばす。その隙に、エドワードは走り出した。
「うん!」
アルフォンスとマリーゴールド も、後に続いた。
しばらく走り距離を稼ぐと、エドワードは壁を錬成して道を塞いだ。
「ふ~・・・これで誤魔化せるだろ。今のうちに、中尉とじーさんを探すぞ」
走りつづけ、さすがに疲れたのか、3人の歩調が緩やかになる。
「どこに逃げたんだろ」
「一本道みたいだから、このまま街の奥へ行けば、追いつくんじゃないかな」
キョロキョロと、道なりに建っている家々を見ながらアルフォンスが呟くと、マリーゴールドが道の先を指差して言った。
「そうだな、行ってみるか」
「グロースターさん」
「おう、ここだ」
階段の上からホークアイが声を掛けると、アーレンは石像の陰から顔を出す。
「中に怪物はいません。ここで、休んでいてください。私は、エドワード君たちをーー」
「中尉!!」
2人を見つけたエドワードたちが走ってくる。
「エドワード君!」
「よかった、2人とも無事だったんですね」
無事を確認し合い喜んでいると、アーレンが不満そうに腕を組んだ。
「フン、こんなガキに助けられた上、心配までされるたぁ・・この俺も、ずいぶん老け込んだものだな」
「んだとォ!?それが命の恩人に対する態度かあぁ!?」
「まあまあ」
さっそくやり合う2人を、やんわりとアルフォンスは宥める。
「でも、街の人が全員ゴーレムだったなんてーーこの街はいったい・・」
誰にともなく マリーゴールドが呟いた。
「奴の仕業だよ」
「ジャック・クロウリー・・?」
「あぁ。クロウリーは、レビスの秘儀でゴーレムを造り、遺跡だったこの街を、復活させたんだ」
「そんなことが出来るのか!?」
「もともと、シャムシットはレビス王が秘儀を使って、造った街だからなーー」
アーレンは、街を見下ろしながら、顔に出来ている深い皺に苦渋を滲ませる。
「 お前、何をしようとしているんだーー愛しいエルマを造り続け。 あんな、化け物みたいなゴーレムを街に溢れさせてーー王にでもなったつもりか?クロウリー・・そこまでして、2人の国をーー」
「話しはあとよ。しばらくこの建物の中で、休みましょう」
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