第5章 ボードワン
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「あんな噂を真に受けるとは・・軍の将来に、不安を感じずにはいられないな」
ハボックを送り出すと、渋い顔で村長はそう独り言ちた。
確かに、怪物の噂に不安を募らせている村民はいる。
早朝、ハンスが若い連中と砂漠へ向かったのも、そのせいだろう。
だが、何も在りはしないと云うのに。困った奴だ。
扉を閉めると、リビングボードの上に置いてあるパイプを手にした。
それに火をつけると、写真立ての中で笑う亡き妻の顔を見詰める。
ゆっくりと煙(けむ)を吐き出しながら、心の中で語りかけた。
明日は、アーシャとハンスの結婚式だ。
私はこの村の村長として、父親として、2人の誓いを見届けよう。
天国のいるお前と、あの子たちの門出を祝おう。
3人で暮らしていた頃を思い出し、うっすらと涙を浮かべた。と、その時ーー
「村長!!大変だっ!!」
乱暴に扉が開いた。
「何だ、騒々しいな。どうした?」
振り返った村長の目に、青ざめた顔が映った。
「ーーハンスがっっ!!」
「――――っ!!」
・・
逸れを眼にした瞬間、思わず後ずさった。
血溜まりの中に転がる、肉片と化した身体。
何かに踏みにじられたような無惨な死体。
神よーー娘をお救い下さい
私の錯覚だと、お教え下さい
この、無惨な死体
これはハンスではないと、どうかーーー
バササッッーーー
森の中の鳥たちが、一斉に飛び立った。
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