Lv4 レンのキミにーー
夢小説設定
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「ーーあれ?」
エンジンに違和感を感じたダチは、計器類をチェックする。
「どうしたの?」
「う~ん、動力の機嫌が悪いな。ちょっと、海に降りるぞ」
飛空挺が着水すると、ダチは席を立つ。
「ちょっと、動力室に行ってくる」
「あ、待ってダチさん。私もーー」
セルシウスに乗って数ヵ月ーー動力室には滅多に入らない。ついていったユウナは珍しげに室内を見渡す。
「あんまり近づくなよ、指でも挟んだら大事だ。よーし、いい子だ」
4つある動力の回転リングひとつひとつに、声を掛けながらチェックする。
「人としゃべってるみたい」
「そりゃそうだ。この船だって、カモメ団の仲間さ」
「私の先輩だしね」
「こいつーーーセルシウスと知り合ったのは、ユウナのナギ節が始まって、すぐの頃だ。
スピラのずうっと北の海に、古代の飛空挺が眠ってるって情報をキャッチしてーー
俺とアニキは、氷の海に漕ぎ出した。ところがーーうん、大丈夫だな」
点検し終わると、ふたりは動力室に降りる階段に並んで座る。
軽快に動く回転リングを見ながら、ダチは続けた。
「ーーところが、深い霧に包まれて、西も東もわからない。
おまけに、寒くて寒くてもうダメかと思った。その時だ。
俺たちの頭上に、1羽のカモメが現れた。まるで、助けに来たみたいだったなぁ。
他に頼るものはない俺とアニキは、必死でカモメの後を追った。
そしてめでたく、氷の中で眠っていた、この船を見つけたんだ。まさに、カモメ様様だ」
「そっか、それでカモメ団なんだ」
「それだけじゃない・・」
「なに?」
「いやーーやめとく」
「ダ・チ・さん?」
言い淀んだダチに、ユウナは可愛らしく促す。
あざといかなと思ったが、カモメ団の由来を最後まで聞きたかった。
「こいつを見つけたのはいいが、俺たちは遭難した。食うものがなくて、飢え死に寸前。もうダメかと思った。その時だ。俺たちの頭上にカモメが現れた」
飢え死に寸前に、カモメ? なんか、イヤな予感・・・
「まるで、助けに来たみたいだったなぁ。俺たちは、最後の力を振り絞って、そのカモメを捕まえてーー」
「ダチさん」
話を遮ったユウナの方に、顔を向ける。
「なんだ?」
「ありがとう、もう・・いいや」
真っ直ぐ前を見たまま、ユウナは言った。
「やっぱり?」
「ーーーうん」
「やっぱり・・・」
ダチはガックリと項垂れた。
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