Lv4 レンのキミにーー
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ベベル寺院の前に設置したスフィアを映そうとしていたシンラは、思わず声をあげる。
「あれ?ベベルが繋がらない」
「じゃあ、先にキーリカを」
「キーリカのどこに置いたんだっけ」
「寺院の前と、港にーーあれ?」
モニターが映し出したのは、家の中だった。女がひとり居て、シンラの声にこちらを向いた。
「ドナ?」
ドナは腰に手を当てると、スフィアを覗き込む。
「港に居た子供たちが、届けてくれたのよ。ユウナ様の忘れ物だって」
「キーリカの様子はどう?」
聞こえるくらいのため息をつく。
「ヌージが姿を消したとたん、みんな右往左往ね。
誰かに命令されないと、何をすればいいかわからないらしくて、早くも新しいリーダーを探しているわ。
というか、私も頼まれたのよね『元召喚士として、街のリーダーになれ』って」
「引き受けるの?」
「他人のお守りなんて、ごめんだわ。まあ、これ以上、混乱が広がらないようにそれなりのことはするけどーーヌージが戻らない限り、落ち着きそうもないわね」
「そう・・教えてくれて、ありがとう」
キーリカとの通信が終わると、シンラは今いち度、ベベル寺院に置いたスフィアと接続する。
今度は、うまく繋がった。
「ユウナ、ベベルが映ったし」
見ると、スフィアから少し離れた場所に、褐色の肌の男が寺院を見上げている。
リュックはその男を指差す。
「ねぇ、あの後ろ姿・・」
見覚えがある。マローダだ。
しかし、彼は青年同盟に心酔していたはずだ。
「何してるの?」
「ん?あぁ、あんたか」
ユウナが話しかけると、マローダは振り向き破顔する。傍へ来ると、スフィアの前で胡座をかいた。
「見てのとおり、新エボン党の様子を偵察中っつうわけだ。議長は消えるわ魔物は出るわで、エボンはガタガタだ。警備も手薄になってるんで、俺みたいな青年同盟の人間が、大きな顔で歩けるんだ」
「楽しそうだねぇ」
「そりゃーーあ、やべっ」
マローダは焦った様子で立ち上がる。後ろから、新エボン党の兵が3人走って来るのが見てとれた。
「おい、貴様!何をしている!」
「今ごろ感づいたか?じゃあな!」
スフィアごしに手を上げると、ブリッジの方へ走っていく。それを追いかけて、兵の姿も消えた。
「行っちゃったよ・・」
「でも、マローダさんに気をとられて、スフィアには気づかなかったみたい」
「よかったし」
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