Lv3 因 よすが
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「リュック、魔物がいたの?」
「それもあるんだけどーーとにかく、寺院へ来て」
リュックは2人を引っ張って、寺院へ急いだ。
寺院では、ワッカとベクレムが何やら言い争っている。
「何を迷っているんだ!魔物をまとめて始末出来るんだぞ!」
「けど、寺院に火ぃつけるなんて、やりすぎだろ!」
「他に方法があるのか!?」
ベクレムが提案する、寺院に火をはなって魔物を一掃する以外に方法を思い付かず、ワッカは返事に詰まる。
「放っておいたら、どんどん魔物が出てくるかもしれない。あんた、自分の家族が魔物に襲われてもいいのか!」
「魔物をーー片付けりゃあいいんだろうがあ!」
やけになって奥へ走っていくワッカに呆れていると、ユウナたちが入ってくる。
「あんたたちかーーこんな寺院、魔物と一緒に燃やしてしまえばいいんだ。いまだにあんなものを拝んで何になる?あれを倒したのは、あんたたちだろうに」
「そんなに、燃やしたいんですか?」
怒りを滲ませ、ユウナは言った。
「村人の安全のためだ」
躊躇なく答えたベクレムに、決意の顔を向ける。
「前に、約束しましたよね。役立たずじゃないって証明するって。これから、証明します」
ベクレムの返事を待たずに、ユウナはリュックとパインと共に、ワッカを追う。姿が見えなくなると、アヤは少し呆気にとられている彼の隣に立つ。
「久しぶり、ベクレム」
「あぁーー」
アヤを見ずに、返事をした。そんな彼の態度に構わず続ける。
「ーー村人たちが、今も寺院で祈っているのは、エボンにじゃない。自分たちのために、命をかけてくれた人たちに、感謝の祈りを捧げているんだと思う」
いまだに寺院に祀られているブラスカたち大召喚士の像。それに一瞥をくれた後、ベクレムはソッポを向く。
「過去に囚われているんじゃないってか?・・・あんたは、自由になれたのか?」
俺には、昔の男に囚われたままに見えるーーー
言わんとしたことを察し、アヤは微かに笑う。
「あの時より、もっと不自由なのかもね。でもそれは・・・たぶん、私が望んだことだから」
「そうかーー」
きつい態度をとる彼の声音が、少しだけ和らいだ。
.
