Lv3 因 よすが
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【壊したくないから】
「ここがユウナのホームか。いいところじゃないか」
ダチは村を見渡して、晴れやかに言った。
2年前にサヌビア砂漠にあったホームを失ってから、アルベド族はスピラの各地に散っている。
自由気ままではあるが、帰る場所のない淋しさもあった。
ユウナたちは、ルールーの家へ急いだ。
「魔物は?」
「寺院の奥から出てくるわ。でも、大丈夫。ワッカたちが片付けてくれた。幸い、ケガ人もいないし」
落ち着いたルールーの態度に、ダチは出鼻をくじかれて肩を落とす。
「お助け屋カモメ団、出番なしか」
「逃げた魔物が近くをうろついている可能性もあるの。ワッカたちが調べてる。協力してあげて」
「カモメ団に任せてくれ。格安料金で引き受けるぞ」
「はいはい」
商売っ気丸出しのダチにルールーは額を押さえる。そのやり取りに、ユウナは「ごめんね」と笑う。
「いいのよ。じゃあ、見回りお願いね。ユウナの姿を見れば、村のみんなも安心するから」
「うん」
村の中心で、4人は顔を付き合わせる。
「とりあえず、手分けして村の周りを見てみましょう。一人じゃ危ないから、二人でね」
「リュック、行くぞ」
「ほ~い」
パインはリュックと共に、村の中を見回った。ユウナはアヤと村の外へ出た。
一周して戻って来ると、村の入り口付近にしゃがんでるシンラを見つける。
「ここにも設置したの?」
「うん、いざってとき、便利だし」
「それって、シンラ君の発明?あちこちに置いてたよね」
『シンラ!転んで泣いてないか?』
ふいに、スフィアからアニキの声がした。
「ちょうどいい実験体だし」
『おお!ユウナが映った!?』
「へ?」
「この通信スフィアは、飛空艇に映像を送ってる」
「そうなんだーー」
スフィアの傍にしゃがむと、試しに手を振ってみる。
『おおーーっ!ユウナ、もっと、もっと!!』
「愚かだし」
興奮するアニキに、シンラは冷たい視線を送る。そこへ、リュックが走って来る。
「ユウナんユウナん~なんかまずいよ~」
「魔物が見つかったのかな」
「シンラ、危ないからルールーの家に居なさい。ダチが居るから」
「うん、わかった」
アヤの命に、シンラは素直に頷いた。
.
「ここがユウナのホームか。いいところじゃないか」
ダチは村を見渡して、晴れやかに言った。
2年前にサヌビア砂漠にあったホームを失ってから、アルベド族はスピラの各地に散っている。
自由気ままではあるが、帰る場所のない淋しさもあった。
ユウナたちは、ルールーの家へ急いだ。
「魔物は?」
「寺院の奥から出てくるわ。でも、大丈夫。ワッカたちが片付けてくれた。幸い、ケガ人もいないし」
落ち着いたルールーの態度に、ダチは出鼻をくじかれて肩を落とす。
「お助け屋カモメ団、出番なしか」
「逃げた魔物が近くをうろついている可能性もあるの。ワッカたちが調べてる。協力してあげて」
「カモメ団に任せてくれ。格安料金で引き受けるぞ」
「はいはい」
商売っ気丸出しのダチにルールーは額を押さえる。そのやり取りに、ユウナは「ごめんね」と笑う。
「いいのよ。じゃあ、見回りお願いね。ユウナの姿を見れば、村のみんなも安心するから」
「うん」
村の中心で、4人は顔を付き合わせる。
「とりあえず、手分けして村の周りを見てみましょう。一人じゃ危ないから、二人でね」
「リュック、行くぞ」
「ほ~い」
パインはリュックと共に、村の中を見回った。ユウナはアヤと村の外へ出た。
一周して戻って来ると、村の入り口付近にしゃがんでるシンラを見つける。
「ここにも設置したの?」
「うん、いざってとき、便利だし」
「それって、シンラ君の発明?あちこちに置いてたよね」
『シンラ!転んで泣いてないか?』
ふいに、スフィアからアニキの声がした。
「ちょうどいい実験体だし」
『おお!ユウナが映った!?』
「へ?」
「この通信スフィアは、飛空艇に映像を送ってる」
「そうなんだーー」
スフィアの傍にしゃがむと、試しに手を振ってみる。
『おおーーっ!ユウナ、もっと、もっと!!』
「愚かだし」
興奮するアニキに、シンラは冷たい視線を送る。そこへ、リュックが走って来る。
「ユウナんユウナん~なんかまずいよ~」
「魔物が見つかったのかな」
「シンラ、危ないからルールーの家に居なさい。ダチが居るから」
「うん、わかった」
アヤの命に、シンラは素直に頷いた。
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