Lv3 因 よすが
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ジョゼ寺院を後にすると、そのまま幻光河に向かった。
幻光河では、トーブリが主催しているイベントが開催されていた。
体の一部に楽器がある珍しい亜人種たちが、音楽を奏でている。
川縁の目立たない場所へ、シンラはスフィアを設置した。
「ここにも置くの?」
「セルシウスから、イベント見れるし」
「なるほど」
そこへ、ユウナたちに気付いたトーブリが、せかせかとやって来る。
「困ったことになりまして・・開催したのはいいんですが、イベントを。どうも欠けてるんです。なんというか、盛り上がりに」
そう言われ、観客の様子を見る。
「確かに」
ユウナたちは頷いた。楽曲自体は悪くないと思うのだが曲調が穏やかで、それにつられてか、観客たちも静かに聴いている。
「盛り上がらないんです、ちっとも。とんだ計算違いですよ。こんなはずじゃなかったのに・・」
「そんな落ち込まないでさ、次で取り戻せば言いよ」
リュックは慰めるが、トーブリは肩を落としたまま
「次ですか・・・?だめでしょうね、今のやり方では。とにかく、引っ張ってこないと、知名度があって、目立つ人たち」
「有名人っていうと・・」
「例えば、そうですね・・えぇっとーーーういうい!」
トーブリは何か閃いたのか、ユウナを見上げ目を輝かす。
彼の思惑に気付いたパインは、素早くユウナの腕を掴む。
「ユウナ、帰ろう」
「どうしたの?」
「いいから帰ろう、とにかく帰ろう、すぐ帰ろう」
「う、うん」
半ば強引に腕を引っ張り、歩き出す。リュックとアヤも後を追う。
「あっ、待って!ちょっと!」
「耳を貸すな!」
「突然なにさ~?」
「なにさって、あいつが何を考えていたかわかるだろ?」
「あたしたちの出番!」
「楽しいかもよ」
「口ではイヤがってても、パインの胸の奥では、イベント出演への意欲がメラメラとーーー」
「リュック、人の気持ちを勝手に演出しない」
「まあまあ」
宥めるアヤに向かって、パインは盛大にため息をつく。
「ハァ・・・アヤ、何であんなヤツをそんなに気にかけるんだ?」
「あ、あたしも思ってた。面白いヤツだけど」
「そうそう。どうしてですか?アヤさん」
「え?えっと・・」
アヤがトーブリを振り返ると、ユウナたちもつられて見る。トーブリはまだこちらに向かって引き留めるように、両手を上げている。
アヤは心の中で呟いた。
言えない。顔はぜんっぜん似てないのに、アーロンと声が似ているからなんて。
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