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久しぶりに帰った我が家で、まだ、落ち着きを取り戻していないときだった。
コンコンーーー
どこか人目を憚るように、扉がノックされた。こちらも、警戒しながら様子を伺う。
「誰ーー?」
「俺だよ、オ・レ」
ノックとは裏腹に聞き覚えのある馴れ馴れしい声。アヤはすぐに扉を開けた。
「よっ、アヤ。ひさしぶり」
驚きながらもリビングに案内すると、遠慮もせずに、どっかりとソファに腰を下ろす。
「見てもらいたいスフィアがあるんだ」
珈琲を置き、向かいに座ったアヤの前に、スフィアを置いた。スイッチをいれると、鈍い音をたて再生を始める。
アヤは、ふいに映った姿に、思わず目を見張る。
『どこだ・・』
『サヌビア砂漠』
頭上から聞こえた声に、太刀を構えて振り返る。アーロンの目に、金髪を逆立てたアルべド特有の派手な身なりの男が砂丘を滑り降りる。
『あんた、アーロンさん?伝説のガードの』
『伝説などではない。おまえは?』
アーロンは、ニコリともせず答えた。
『アヤと、おんなじこと言うんだな』
無愛想な返事に、屈託のない笑顔を見せた。
『近くに、グアドの捜索隊がいるらしいな。さっき、通信を拾った。『召喚士ユウナを確保したら、ガードは殺せ』ってさ。首、引っ込めておとなしくしてたら』
『忠告か?』
『奴らを刺激して欲しくないってこと。俺も、寺院に追われる身なんで』
『先に、謝っておこう』
『やる気かよーー』
『ふんーー』
『やっぱな。いいかげん、逃げるのも飽きたし、寺院と戦うのもアリかって思うけどさ。んなこと言ったら、笑われそうだろ?『馬鹿じゃねーの』って』
『世界を変えるのは、いつだって大馬鹿野郎さ』
『大馬鹿野郎ねぇ・・・』
後ろで、彼を呼ぶ声が聞こえる。
『おっとーーんじゃ、行かなきゃ』
砂丘を登りかけて、思い出したように振り返る。
『伝言、頼まれてくれねえかな』
『伝言?』
アーロンは、怪訝な顔をする。
『あぁ』
『約束、忘れないでくれって、アヤに』
『アヤに?』
『そう、アヤに。頼んだぜ、伝説のガード様!!』
再生が終わったスフィアを、アヤは暫く見つめていた。やがて、視線を上げると珈琲をすする男を見る。
「で、今度は私に何を頼みに来たの?ギップル」
「さっすが、話が早いねえーーアヤ」
ギップルは、嬉しそうに笑った。
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