Lv1 空を駆ける船
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道すがら、アヤは最近のキーリカの情勢を説明した。
壊滅的な打撃を受けたキーリカを、ここまで復興させたのは青年同盟だが、そのことが原因で、新エボン党と溝が出来てしまったこと。
それでいさかいが絶えず、街の人たちが困っていることなど。
キーリカの森の入口に着くと、青年同盟の者が木で作った塀で入り口を閉鎖していた。
「青年同盟の有志は急げ!」
「ヌージ様の訓示が始まるぞ!」
同盟員に紛れて、塀の中へ入る。すでに大勢集まっていた。
「みんな、スフィアハンター?」
「ちがうみたいだ」
「あ、ドナだ」
用事とは、ここへ赴くことだったのか。
少し離れた場所で様子を伺っていると、歓声が上がり、左半身が義手義足の長髪の男が現れた。
ドナは彼を崇拝しているようで、うっとりと見つめている。リュックは男の圧倒的な存在感と貫禄に、身を乗り出す。
「ちょっとちょっと、誰だっけ?」
「あれがヌージよ」
「青年同盟のリーダーだよね」
「じゃあ、この人たちみんな、青年同盟?」
「・・・・だろうな」
ヌージは杖をつきながら集まった同胞たちの前に立った。すると、一斉に直立不動の姿勢で敬礼する。
「さて、諸君!!キーリカの寺院には、真実の歴史を記録した重要なスフィアが隠されている。
我々は、スフィアを公開するようにと新エボン党に要求してきた。
だが、真実を求める声は、常に無視されている。なぜか!彼らは真実を隠そうとしているのだ。
かつての寺院のように!そのような事態を許してはならない。諸君!!今こそ立ち上がり、真実を我らの手に!!」
「おーーっ!!」
同盟員の士気を高めると、満足気にヌージは立ち去ろうとする。だが、思い出したように振り返った。
「でも、少しは手加減してやれよな。相手はあんまり、若くない」
新エボン党を小馬鹿にしたような発言に、笑いが起こる。
訓示がすむと、同盟員たちは先を争うように森へ入っていく。
ユウナは一瞬、ヌージと目があった気がした。何故ならば、彼が笑いかけた気がしたからだ。
私を見た・・・?
そう思ったが、隣にアヤが立っていることに気付く。
違う・・・アヤさん?
「なんか、雰囲気違うんですけど」
訓示を聞いたユウナは、彼の寺院への態度にモヤモヤした気持ちを吐き出す。リュックも同じだったらしく
「楽しもうとおもってたのに~気分良くないね。どーする?帰る?」
ヒステリック気味に言うと
「すんごいスフィア、いらないのか?」
パインに冷静に言われ、
「ーー決めた!争いの元みたいだし、私たちが貰っちゃおう」
「賛成!!あんなオジサンには渡さないよ!!」
息巻くリュックに、アヤは衝撃的な事実を告げる。
「リュック・・ヌージはまだ21才だから」
「えっ?ウソっ!!!」
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