Lv1 空を駆ける船
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幻光河を飛び立つと、セルシウスは一路、キーリカ島へ向かった。
ねぇ、見てーーーここ、キーリカの港なんだよ。
キーリカへは、2年前の旅の
あの時はたくさんの人が死んで・・・この海で泣きたいのを我慢しながら、初めての異界送りをしたっけ。
でも今は、跡形もなく壊された街並みも、薙ぎ倒された木々も、見事に修復されてる。
港や、街をここまで立派にしたのは、青年同盟の人たちなんだ。
桟橋を過ぎ街に入ると、そこかしこから子供の笑い声や人々の笑顔がみえる。
ユウナの口元は、自然にほころんだ。
「すんごいスフィアって、どんなかな?」
ウキウキと訊ねると、リュックは両手を広げて答える。
「そりゃもう、すんごいんだよ!」
「なんだろうねぇ!」
はしゃいで中々先へ進まないユウナとリュックに、パインの眉間に青筋が立つ。
「いつまでやってるんだ、誰かに先を越されるよ」
「あ、ごめんーー」
「待って、待ってよ~」
スタスタと行ってしまうパインの後を慌てて追う。3人の後を、アヤも笑いながらついて行った。
キーリカ随一の街、ポルト・キーリカへ入ると、たくさんのヤシの木の葉が影を作り、そこを吹く風は心地好かった。
寺院を除き、この島の住人の殆どがここに居を構えている。
「ドナ!!」
不意に、聞き知った名が呼ばれた。
「ドナ?」
「ん?この声は?」
「聞き覚えがあるわね」
「あっ!ユウナん、アヤ、あれーー」
指差す方向に、懐かしい人物が2人いる。元召喚士のドナと、恋人でありガードだったバルテロだ。だが、何だか険悪な雰囲気だ。
ドナは入り口を塞ぐように立ち、バルテロは大きな身体を縮込ませている。
「あらあらあら・・・そうね、わかったわ」
「ドナ」
「出ていってちょうだい」
「ドナ・・・うおおおおおおおおーーーっ!!!」
ドナの冷たいひと言に、バルテロは泣き叫びながら走り去っていく。憮然と見送っていたドナが、ユウナたちに気付く。
「あーら、久しぶりね」
「こんにちは」
「バルテロ、どうしたの?」
「別に・・よくある話よ。私は青年同盟派。バルテロは新エボン党派。一緒に暮らすのは難しいわ」
「別れちゃうんだ・・」
リュックがバルテロに同情するように呟く。すると、ユウナも
「ずっと一緒だったのに」
2年前ーーーマカラーニャの森でアルベド族にドナが拐われたことがあった。
その時、バルテロが必死になって彼女を探していたことを思い出す。しかし、パインは
「人それぞれ」
クールに言い放つと、それを聞いたドナが
「そういうこと。あんたたちには、関係ないことなの。放っておいて。私、これから用があるの。じゃあね」
と、ツンと家へ入っていった。
ユウナとリュックが悲しそうな顔をしていると
「大丈夫よ。ドナが、バルテロと離れて平気なわけないから」
「バルテロがーーーじゃなくて?」
「そう。早く寺院へ行きましょ」
アヤに促されて歩き出したが、それでも、ユウナは心配そうに振り返っていた。
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