プロローグ
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薄暗い檻の中に、若い男が入れられている。
撮影者に気付くと、格子を掴んで喚き出す。
「なんで俺が逮捕されるんだ!?納得いかなっての!」
「なあ、聞こえてるんだろ?アイツがあんたの彼女だったら、どう思う?」
「敵の機械使って、どこが悪いんだよ!召喚士を守るには、ああするしかなかったんだ!自分ならどうするか、考えろよ!」
「出してくれよ・・・アイツに会わせてくれーーー」
怒り、嘆き、懇願ーーー
懐かしい何て言えない、ずっと身近にある声でーー
これは、何?
キミによく似たーー
それとも、キミなの?
「なんだよこれーーアイツ、なにしてんだーーつうかよ、本当にアイツなのか?ど、どういうことだよ、これ」
ティーダによく似た男にワッカは戸惑い、リュックに詰め寄る。
「よくわからないんだ。でも、知りたいでしょ?」
「そりゃそうだ」
ふたりはユウナを見る。
「ーーーうん」
「調べに行こう」
ユウナが頷くと、リュックがすかさず言う。
「どこへ?」
「わからないよ、そんなの。取り合えず、これを見つけたキマリに話を聞いて、それから考えよう!」
ふたりの様子に、ワッカは慌てる。
「行くったってよーーわからないことが多すぎるだろ?もうちょい、色々わかってからでもいいんじゃないのか?」
「誰が調べるわけ?」
「我々にお任せください!リーダーのヌージも賛成するはずです。いえ、自分が説得します」
「帰れよ!!」
突然割り込んできたヤイバルを、ワッカは怒鳴り付けた。どうやら盗み聞きしていたらしい。
「了解です!では、行ってきます!委細、判明しだい戻りますので!!」
勝手に引き受け、ヤイバルは船室に入っていく。関わって欲しくないが、この場から立ち去ってくれるのは有り難かった。
「あたしは、ユウナん自身に旅してほしいな」
「そりゃダメなんだ」
「どうして?」
「3ヶ月先まで、客の予定が入ってる。みんな、ユウナに会うのを楽しみにしてるんだ」
「ユウナんの楽しみは?」
「そりゃ、おまえーーいつか、世の中が落ち着いたらな」
「いつかなんて、待ってたら来ないよ!ワッカ、どうしちゃったの?ユウナんはあんなに頑張ったんだよ!もう、自分のことだけ考えればいいのにーーそれなのに、どうして?」
「・・・・」
「あたし、ここに来るたびに思ってたんだ。みんな、どんどん新しい幸せを見つけていくのにーーユウナんの時間だけ、止まったままだよ」
「そんなこたぁーー」
「ぷにぷにワッカは、なーんにもわかってない!!ユウナん!!」
「私はーー」
黙って聞いていたユウナは、逡巡する。
また、旅に出てみたい。
でも、勝手にいなくなったら、誰かをがっかりさせてしまうかも
でもーーー
「私ーー」
『大人ぶってカッコつけてさ、言いたいことも云えないなんて、絶対いやだ。そんなんじゃ、何も変えられない』
うん、そうだよね
「行く」
「ユウナぁーー」
「勝手で悪いんだけどーーこれは、私の物語だから」
「でしょーー!!絶対ユウナんはそういうと思って、あたし、お土産持ってきたんだ」
リュックは嬉々とバッグを探り、ワッカは頭を抱える。
「マジかよ」
「まず着替えね。雰囲気がらっと変えちゃおうよ。相変わらず有名人なんだから、変装っぽく」
「ちょ、ちょっと待ってろよな。ルー、呼んでくっから!!」
あれこれ取り出すリュックに、慌てて船を降り、村に走っていく。
永遠のナギ節。
それは、私の2分41秒と、ちょっと太ったワッカさん。小さくて、穏やかな幸せ。でもーーー
もっと、欲張ってもいいよね。
ユウナの胸のうちを見透かしたように、リュックが言う。
「ねえ、ユウナん。いまのうちに出発しちゃおう!」
「え?でも、まだ出航時間じゃーー」
「大召喚士さまが頼めば、大丈夫だって!ほらほら!!」
「ーーうん!!」
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