Lv1 空を駆ける船
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試練の間へと続く通路では、ツアー参加者たちが宝箱を開けて喜んでいた。中には、入っていた宝が大したことないと、文句を言っている者もいる。
パッセたち子供団は、宝がポーションでも大喜びをしていた。
「ねぇ、スフィアの反応は?」
「反応はあるんだけど、距離が縮まらないね」
「祈り子さまの部屋にあるのかな?」
「行ってみよ」
祈り子の間の前にはガイド役の女性が立っていて、ユウナたちに説明を始める。
「ご覧下さい。この奥には、究極召喚の祈り子さまがいらっしゃると言い伝えられてきましたがーーーって、ユウナ様じゃありませんか!懐かしい思い出に浸ってくださいね」
懐かしい思い出ーーーーそんな穏やかな言葉で語ることなど出来ないけど
それでも、2年前に満ちていた死の匂いは、ツアー客の笑い声で、確かに薄れていた。
「らっしゃい!この奥でもお宝が待ってるぜ!さぁ、ヒントを買ってーーー」
広間に入ると、突然威勢の良い声が掛かる。まるで、宝箱の安売りをしているようだ。
声の主は、ツアーの企画者で、リュックとアニキの父親でありユウナの母親の兄、シドだった。
「ぉお!ユウナじゃねえか!このシド様からヒントを買いたいってのか!?ユウナにだったら特別にタダでおしえてやるぜ。ヒントは『さ』だ!!」
呆気にとられていると、リュックがシドに負けない大声で叫ぶ。
「こら、オヤジ!」
「あん?」
「どういうつもりで、こんなヘンな商売やってるわけ?」
「なんでぇ、文句でもあるってのか?」
「大ありです!!」
珍しく、ユウナも声を張り上げる。
「何が不満だってんだよ」
「何がってーーえぇと・・とにかくイヤなんです!」
「はあ?」
「アルベドのホームの跡を、見せ物にするようなもんだよ、もう!」
「あ・・・不味かったか?」
ユウナの哀しく、責めるような視線に、シドは頭を掻く。
「そうかーーー」
リュックは、怒り冷めやらぬ顔でユウナの手を取る。
「行こ、ユウナん」
「う、うん・・」
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