Lv1 空を駆ける船
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「ユウナ、私たちも行きましょう」
「・・・はい」
「パイン、ここは初めて?」
「うん。だから、正直いって、興味はあるよ。私は召喚士じゃないから、この地には一生足を踏み入れることはないって、思ってたから。でも、あんな風にはしゃげないけどね」
パインは、歓声をあげながら歩いている観光客を一瞥する。
「寺院を信じていた人たちは、今でもありがたがって訪れるけど・・最近は、スフィアを見つけて、寺院に高く売り付ける目的の観光客も多いみたい。ユウナレスカに謁見する前に、命を落とした召喚士の旅を記録したスフィアとかね。でも、ツアー自体は評判いいみたいよ。本物の召喚士が案内してくれるって」
「・・・・」
ドーム前に、揃いの衣装を身につけた案内の女性が2人立っていた。
「宝探しツアーへようこそ」
「遺跡の中に隠された宝箱を見つけたら、その中身はあなたのものです」
アヤたちを見つけると、にこやかに奥へと促されたが
「ねぇ、今のユウナ様じゃ?」
「まさかーー」
と、小声で話しているのが聞こえたが、立ち止まらずに奥へと進むと、前方に小さな背中が3つ見えた。
「タロ、ハナ、準備いい?」
「えーと、ヒントは?」
タロと呼ばれた男の子が首を捻る。
「もう!『る』でしょ!」
ハナであろう女の子が、少し怒って答えた。
「それじゃ、しゅっぱーつ!」
「おーっ!」
威勢良く拳をあげ、先頭を歩く子供には見覚えがあった。
「マローダが言ってたこと、ホントだったんだ」
「うん。追いかけよ」
「お~い」
後ろから声を掛けると、3人は振り向く。
「あっ、ユウナ様!僕のこと、覚えてる?」
「うん、パッセ君」
ユウナに名を呼ばれ、パッセは満面の笑みを浮かべる。
「みんなで何してるの?魔物も出るのに」
「魔物がなにさ」
ハナが鼻息も荒く、胸を張る。
「そうそう!だって僕らは、スフィアハンター」
「子ども団!」
3人は、パッセを真ん中にポーズをとる。
「お宝を探しに来たってわけ?」
子供団は揃って頷く。
「じゃあ、『る』っていうのは、お宝のヒントなんだ」
「うん、そうだよ」
「しーっ、15ギルも出したんだから、早く行かなきゃ」
「うん。スフィアハンター子ども団、しゅっぱーつ!じゃあね、ユウナ様!」
バタバタと走っていく後ろ姿を見送りながら、パインが呟く。
「15ギルでヒントね・・・」
「安いわね」
アヤは無邪気な子供たちに笑っていると、リュックが目を輝かせて言う。
「ねぇねぇ、今のいいんじぁない?」
「今の?」
「3人でポーズとってたヤツ!あたしたちも、やろ~よ~」
「面白そう。ねぇ、パインもどう?」
「考えとく」
「アヤもいっーー」
「遠慮します」
にべもなく断ると、リュックは「え~アヤのケチ~」と、子供のように拗ねた。
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