Lv1 空を駆ける船
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翌日、アヤたちはセルシウスでジョゼ寺院に近い海岸へ降り立った。
海岸からホバーで、参道の入り口へ乗り付ける。
何の説明もせずに前を歩くアヤの背中に、リュックが問う。
「ねえ、アヤ。どこに行くの?」
「ジョゼ寺院よ」
「それはわかるけどーー」
ここはジョゼ寺院の参道だ。この先には、ジョゼ寺院しかない。
「何しに?」
「ビーカネル砂漠でスフィア探しをしたいから、許可を取っておこうと思って」
「ビーカネルでスフィア探しをするのに、許可がいるの?」
「えぇ。リュック、最近、ビーカネルには行った?」
「そういえば・・・しばらく行ってないなぁ」
「色々、変わったわよ」
と、意味ありげに笑った。すると、今度はユウナが口を開く。
「アヤさんは、寺院がスフィア探しを推奨する前から探してたんですよね」
毎日の楽しさのなかで、ずっと、そのことが気にかかっていた。
「・・そうよ」
「どんなスフィアを探してるんですか?」
「今は、まだ内緒。そのうち、話す時が来るかもね」
そんなやりとりをしていると、寺院が見えてきた。
祈り子がいなくなった今、寺院の外まで漏れていた雷光はすっかり消えている。
私たちがシンを倒してーーーすぐに、みんなの心は寺院から離れてしまって・・・
ここの寺院も捨てられて、荒れちゃったんだよ。
寺院の前の広場に足を踏み入れると、その場に居る人々が一斉にユウナを見る。
「みんな見てるよ・・?」
視線を集めることに、戸惑う。
「ユウナん、有名人だもん。仕方ないよ」
「静かに暮らしたいもんだねぇ」
ユウナの老人じみた言い方に、リュックはパインに囁く。
「ビサイドでの隠居暮らしが長かったからね」
「老け込んだか」
「誰がよ!!」
3人のやり取りを笑って聞いているアヤに、ユウナは照れくさそうに
「ところで、アヤさん。ここで許可がもらえるんですか?」
「そうよ。ビーカネル砂漠は今、アルベド族が発掘作業をしてるの。ここは、アルベド族を中心としたマキナ派の本部兼発掘作業の受付場所。実は、その発掘作業の時に、時々スフィアが見つかるのね。だから、調べに行きたいの」
「アヤ、ギップルが来たよ」
「ギップルーー」
アヤはギップルと呼ばれた男に近づくと、親しげに話始める。
彼の端正な顔立ちに、広場に居る女性たちは熱い視線を送っていた。
「あれが、マキナ派のリーダー、ギップルだよ。ちょっと五月蝿いけど、悪いヤツじゃないよ」
悪いヤツではないが、ハデな感じのヤツだなとユウナは思った。
「ユウナ、ギップルが面接してくれるって」
アヤに呼ばれ、ユウナはギップルの前に立つ。
「こんにちは」
「偉大なる召喚士さまかーーー」
ギップルの左目がユウナを見下ろす。彼の右目は、黒い眼帯で塞がれている。
「元・召喚士」
ユウナは腰に手を当てて、おどけてギップルを見上げる。
「生ユウナ様か」
「なま?」
「イイ感じじゃねぇかよ」
「イイ、感じ?」
ニヤニヤとユウナをながめていたギップルは、リュックに手を上げる。
「よっ!シドの娘。元気か?」
「リュックって呼べ」
リュックはギップルの脇腹を小突く。
「相変わらず。ダチも一緒だよ」
「そりゃーー!?」
じゃれつくリュックをあしらっていたギップルは、隠れるように立っているパインに気付いた。
「私はパイン。初めまして」
「・・・・おう」
アヤを一瞥すると、彼女はソッポを向く。
「面接に来たんだけど」
「そうだったな」
パインの怒った顔に苦笑すると、ユウナに向き直り
「発掘作業したいの?マジ?現場は砂漠だぞ?大変だぞ?」
「マジ」
「じゃ採用。おめでとう」
「え?」
あっさり言われ、拍子抜けする。
「さ・い・よ・う。よくわからねぇけど、あんたほどの人が働こうってんだ。相当生活キツイんだろ。俺に出来るのは、これくらいだ。思う存分稼いでくれ」
「あ、ありがとう・・」
「この紹介状を、ビーカネル砂漠にいるナーダラってのに見せてくれ。じゃ、がんばってな」
簡潔にせつめいすると、スタスタと寺院の中へ入ってしまう。
「稼ぐ?」
「発掘の際に機械の部品が見つかることがあるのね。それ、買い取ってくれるのよ」
「あぁ、なるほど」
それで、さっきの態度が納得いった。彼は、自分が生活に困って発掘作業をしたいと思ったのだ。
ユウナはひとり、困った顔で笑った。
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