Lv1 空を駆ける船
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「なんか、意外。ルブランが青年同盟の手先ヤってるなんて」
「ルブランは、青年同盟の盟主にベタボレだから」
アヤは苦笑する。
谷底を後にし、またキノコ岩街道を進む。
やがて、昇降機が見える場所まで来た。昇降機の前に、懐かしい顔が見えた。
「ユウナ様ーー!!エルマです。アヤ様もご無沙汰でっス!」
駆け寄ってくるエルマに、ユウナも破顔する。
「元気!?」
「ゲンキゲンキ!!今は青年同盟に所属して、がんばってます。ユウナ様、雰囲気かわりました?」
「でしょでしょ」
ユウナの服を選んだリュックが、嬉しそうに答える。
ひとしきり挨拶をすますと、後ろにいる少年兵へ向き直る。
「さ、そこをお通して」
「はっ、エルマ隊長!」
敬礼されるエルマに、感心する。
「偉くなったんだね~」
「ホドホドっス」
照れて頭を掻くエルマを後にして、昇降機で昇る。
ジョゼ海岸を見下ろし、キノコ岩街道の最上部に造られた青年同盟本部。
ここは、2年前のミヘンセッションで作戦本部があった所。当時、アルベド族が持ち込んだ兵器が、そこここに残されていた。
「どうして、ここに本部を作ったのかな」
あちらこちらで訓練をしている同盟員を眺めながら、リュックが呟く。
「青年同盟にいるほとんどの人は、以前、討伐隊に所属していたのね。ここは、知っての通りミヘンセッションが敢行された場所。ここに本部を置くことで、その作戦で、命を落とした隊員たちに敬意を表したらしいわ」
アヤの説明が終わると、目の前に本部の建物が現れた。
ここが、青年同盟の本部。同盟は、ベベルにある新エボン党に対抗して、1年前に結成されたんだ。
党にスピラを任せておいたら、また昔に逆戻りだって主張してるの。
リーダーは、元討伐隊員のヌージさん。討伐隊の中では有名だったって、アヤさんが言ってた。
本部前で同盟員と話をしているルチルを見つけた。
「ルチル」
「アヤ様ーーユウナ様!!」
ルチルは傍にいた同盟員を去らせると、ユウナに向き直る。
「久しぶりですね」
「お元気そうでなによりです。自分は青年同盟に参加し、中隊長として新しいスピラのため、戦いを続けております。青年同盟を率いるヌージも、ユウナ様との会談を希望しておりましたがーー現在、重要な作戦を控え、夜を撤しての会議中であります。まことに申し訳ありませんが、日を改めてお越し下さい」
キビキビと自身の近況と同盟の状況を簡潔に答えるルチルに感心していたユウナは、慌てて手を振る。
「あ、別にいいんです」
「今日は、久しぶりにユウナを貴女とエルマを会わせたかっただけなの」
「恐れ入ります」
「青年同盟も、スフィアを探してるんだよね」
「『未来のために歴史を学べ』盟主ヌージの言葉です。その言葉に従い、過去のスフィアを収集しております」
「あのさ、ここって、変なヤツ多くない?」
不躾なリュックの言葉に、ルチルは困った顔で笑う。
「我々青年同盟は、烏合の衆。素性の怪しい者も混じっております。先日も、発見したばかりの貴重なスフィアが盗まれたばかりです」
「ドロボー同盟?」
「リュック」
「いえ、そういった不届き者は、あくまで極少数です。ほとんどの者は、盟主ヌージの元、新しいスピラを作ろうと頑張っています。ただ、盟主が、来るものは拒まずという方針ですので、どうしても・・・残念なことです。」
その、極少数の者のために、頭を悩ませているのだろう。ヌージは優れているのだが、大雑把な面もある。ルチルの苦労を労うと、本部を後にする。
「未来のために、歴史を学べーーーか」
「過去の過ちを、繰り返さないためにーーー最初は、そうだったんだけど・・今はお金になるから探してる人がほとんどかな。その辺は、あの人に聞くといいわよ」
「あの人?」
アヤの視線の先に、老人がひとり、佇んでいる。見覚えのある白い髭に、リュックが叫ぶ。
「あ~!!じぃちゃん!?」
「メイチェンさん!?」
ユウナも懐かしそうに駆け寄る。
「ぉお、ユウナ様。2年ぶりにお会いできたことを記念して、語ってもよろしいですかな?」
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