Lv1 空を駆ける船
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ずっとキノコ岩を登っていたウノーとサノーは、途中から谷底へ飛び降りた。
「あんなところから降りられるんだ。何かあるのかな?」
リュックの声を尻目に、アヤは足を早める。
「あ、アヤーー!!」
「私たちも行こう」
パインも急ぐ。
「ちょっと、置いてかないでよ!」
谷底は以外と広く、横に長く広がっている。
「あれ、2人は?」
「あっちに行くのが見えたわ。行ってみましょう」
ウノーたちを見失ったが、アヤは構わずにクネクネと曲がる道を進んだ。
ユウナたちは黙って後をついていく。暫くすると、ポッカリと黒い穴があいている場所へ出た。
「ヘェ~、こんな洞窟があったんだ・・」
リュックが珍しげに覗き込む。その穴に、アヤは躊躇わずに足を踏み入れる。
中には松明が灯っていて、辺りの様子が見てとれる。
「これもハズレ~」
「こいつもスカだ」
洞窟の最奥の壁の前で、2人はスフィアを壁にある窪みにはめている。だが、すぐにポイと放り投げる。
彼らの足元には、幾つもスフィアが転がっていた。
「何してるの?」
小声で言ったつもりだったが、聞こえてしまったようだ。バッと振り返った2人と目が合う。
「逃げるぞ!!」
辺りに散らばったスフィアをかき集めて逃げていく。呆気にとられていると、壁際にスフィアがひとつ残っているのにリュックが気づく。
「お、忘れ物」
「いただきます」
ユウナが拾い上げると、リュックが覗き込む。
「何のスフィアだろ?」
「取り合えず預かるわ」
差し出されたアヤの掌に、ユウナはスフィアをのせた。その時、背後ーー洞窟の入口から声がした。
「おう、ご無沙汰」
男がひとり、近づいてくる。日に焼けた肌に、黒の短髪。
「俺、覚えてるかな?」
親しげな声に、ユウナはすぐに声の主を思い出した。
「もちろん、マローダさん」
ユウナに名を呼ばれ、マローダは笑う。
「嬉しいねぇ、こりゃ」
「あぁーー」
リュックも思い出したようだ。
「お元気でしたか?」
「おかげさんで、青年同盟に入って大活躍ってところだ」
「私は、スフィアハンター」
「噂は聞いてるぜ。いいねぇ、新しい人生ってか。そういや、パッセもスフィアハンターやってるんだ。どこかで会ったらヨロシクな」
「お兄さんは?」
ユウナの問いかけに、マローダは一瞬顔を歪めた。が、すぐに笑顔に戻る。
「・・この洞窟は、青年同盟が発見したんだ。封印の洞窟って呼ばれてる。魔法で封印されてるってよ」
「イサールさんは?」
「・・・でな、どうやらいくつかのスフィアが封印を解くカギになってるらしいんだよな。それを、ルブラン一味が探してんだ」
「あのーー」
「そんなわけでよ、ここは詳しい調査が終わるまで、立入禁止にしてるんだわ。だからーーまぁ、そのーーヨロシク頼むわ」
と、マローダに半ば強引に洞窟から出された。
「ひとつだけどスフィアも見つかったし、どうする?戻る?」
「ここまで来たんだし、青年同盟の本部にいってみない?」
「アヤさんがそう言う時って、なにか企んでる時ですよね~」
「そうそう」
「嫌だわ、人聞きの悪い」
フフッと笑うと、洞窟を出るようユウナたちを促した。
ユウナとリュックは直ぐに出たが、まだパインは洞窟を見つめている。
「パイン、行きましょ」
「ーーはい」
パインはアヤと目を合わせずに、ユウナたちを追った。
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