プロローグ
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その日も、浜辺へ向かって歩いていた。
「お~い!!」
「あれ?お客さん?」
追ってきたワッカに、訝しげに振り返る。なぜなら、今日は大切な客人が来るため、面会の予定を入れないでくれと頼んであったからだ。
「うんにゃ、ちょっと話をな。あのなーー村のじいさんばあさんたちが、また、例の話をなぁーー」
ワッカは頭を掻きながら、言いづらそうに口ごもる。すぐに話の内容を察したユウナは、露骨にイヤな顔をする。
「今度は誰?」
「新エボン党の、党首の息子らしいぞ」
「絶対に、イヤーー私、きっと、その人に利用されちゃうよ」
「あ!悪かった、ユウナ」
「私から、断っておくね」
「いいってーー年寄りたちの寂しそうな顔を見るの、ユウナ、辛いだろ?」
「・・・うん」
ユウナにとって、幸せになってもらいたいという年寄りたちの気持ちは、嬉しかったが、迷惑でもあった。
永遠のナギ節をもたらした大召喚士の名は、まだまだ大きな影響力がある。それに加えて、ユウナの美しさ。
両方を手に入れ、力を誇示したい者は多い。
ワッカが村へ戻ろうとすると、浜辺の方から若い男が走って来るのが見えた。
「ユウナ様ーー!!」
男はユウナの前で直立不動の姿勢をとる。
「ユウナ様、自分は、青年同盟のヤイバルであります。本日は、ユウナ様に我らの盟主ヌージからの伝言をお伝えに参りました!」
「同盟への参加はお断りだぞ」
先読みしたワッカがヤイバルを睨む。
「え?」
「そういう話なの?」
「その通りであります」
「私、どこのグループにも参加しませんから」
「もしや、ご自分のグループを作るのでは?」
「帰ってください」
「しかしーーー」
「ーーーユウナん!ワッカ!」
ヤイバルと押し問答をしていると、リュックが手を振りながら走って来た。
リュックは、時々ビサイトに来てくれます。
彼女は、スピラ中の機械の使い方を指導したり、大地に埋もれた機械や、海中の機械を発掘したり。
忙しそうだけどーーいつも楽しそうです。
強引にヤイバルを帰すと、リュックは愉しそうにワッカの腹を肘でつつく。ワッカはくすぐったそうに身を捩る。
「やめれ~」
「ほんとにぷにぷにだねえ。ルールーは?」
「おう、村にいるぞ。会っていけよな」
「もちろん!ユウナんはーーー相変わらずみたいだね」
「そう、相変わらず」
「キマリはまだ、ガガゼト山なのか?」
旅がおわり、キマリはガガゼト山に戻った。
それから、便りなどいち度もなく、こうして時折リュックが様子を知らせてくれた。
「ロンゾの孤児たちに、色々教えてるんだ。すっかり先生って感じだね。あ、でねーー見せたいものがあるんだ。船まで来てくんない?」
船に戻ると、ユウナは甲板でリュックから小さな布袋を手渡された。
「キマリから預かってきたのーー」
袋を開けると、中からスフィアが出てきた。
「スフィア?」
「ユウナんーーよっく見てね」
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