Lv1 空を駆ける船
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以前は討伐隊の宿舎になっていた施設は、改装されて簡易宿屋になっていた。
ユウナはワッカの家へ泊まり、アヤとパインとリュックはそこへ泊まった。
ルールーが朝食の準備をしていると、ユウナがスッキリした顔で起きてくる。久しぶりの故郷で、ぐっすり眠れたようだ。
「おはよう。アヤさんたちの分もあるから、呼んできてちょうだい」
「は~い」
アヤたちが来ると、テーブルには朝食の用意が整っていた。適当に座り早速舌鼓を打っていると、リュックが主がいないことに気づく。
「あれ、ワッカは?」
「練習?」
「ううん、夜明け前に出掛けたわ。洞窟がどうこう言ってたわね」
「洞窟って・・浜辺近くの?」
「えぇ、そうです」
「はっきり言わなかったの?珍しいのね」
「様子、見てこようか?」
「魔物も出そうだしね」
「悪いわね。あの人が魔物にやられると思えないけどーー隠し事なんて珍しいから、そっちが心配ね」
後片付けがすむと、松明を用意して浜辺へと向かう。
「ビサイドに、洞窟なんかあったんだ」
「うん。危ないから、行く人はほとんどいないけどね」
「そんなところに何しに行ったんだろ?」
ワッカがルールーに言わないことも、余程の事だ。だからこそ、彼女もあえて訊かなかったのだろう。
浜に近い場所に、人の手で作られた鍵付きの扉があった。錆び付いていたが、力任せに開け松明を灯す。
その明かりを頼りに進むと、果たして、しゃがみこんで物思いにふけるワッカを見つけた。
「どうした?」
灯りに気付いたワッカが、振り返る。
「ワッカさんの様子見に」
「この洞窟に、なんかあんの?」
ワッカは困ったように頭を掻く。
「まあ、そんなところだーーいや、ここだって決まっちゃいねぇ。もしかしたらって、思っただけでよ。何にもねぇかもしれねえし、やっぱりあるかもしれねぇし・・・なんせ古い話だから、よくわからねぇ」
私たちもわからないと、ユウナとリュックは顔を見合わせる。だが、アヤとパインは理解したらしい。
「つまり、ここに何かがあるかもしれない」
「それを、確かめに来たーーーってところ?」
「あぁ。でも、確かめたいような、確かめたくないような・・・」
「あ~もう、ハッキリしないな~ね、何なのさ?」
「まぁ、その、なんだ。古いスフィアがあるかもって話だ」
「スフィア!?」
「どんなスフィア!?」
スフィアの言葉に、ユウナとリュックが喰い付く。
「スフィアはスフィアだよ。なんだっていいじゃねぇか」
最後まで聞かずに、洞窟の奥へパインはスタスタと歩き出す。
「お、おい!?」
「私たち、スフィアハンターだから」
パインはポーカーフェイスで答える。
「あ」
どんなスフィアか、見つけてから確かめればいい。リュックは拳を突き上げる。
「スフィアハンターカモメ団!」
「作戦開始!」
意気揚々と歩いていく4人を眺めながら、ワッカは呟く。
「カモメ団ねぇ・・・」
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