Lv1 空を駆ける船
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セルシウスのブリッジに戻ると
「おぉ、ユウナ。レーダーにスフィア反応ありだ」
レーダーに反応するくらいなら、スフィアがある可能性はかなり高い。ダチの報告に、リュックは目を輝かせる。
「どこどこ!?」
「ビサイドだ。雷平原でアヤを拾って、島に向かうぞ」
「アヤ、雷平原に行ったの?」
「さあな。でも、雷平原に迎えに来てくれって連絡があった」
アニキが操縦桿を握ったまま、顔だけ向けた。
雷平原上空を旋回していると、メインスクリーンにアヤが映し出される。
アヤは通信機を口に持っていく。
『ユウナ、いる?』
「は~い、ここにいます」
『ちょっと、降りてきてくれないかな。リュックとパインも』
「え?」
一瞬顔を見合わせたが、すぐに了解と返事した。
「アヤさん、どうしたんですか?」
「少しだけ、付き合って欲しいの」
アヤは先に立って歩き出すと、3人をマカラーニャの森の、あの場所へと連れて行く。
「ここは・・?」
「そっか、パインは始めてなんだね。ここは、スフィアの泉なの。これでスフィアが作れるんだよ」
「へぇ・・・」
「で、ここになんかあるの?」
「会って欲しい人がいるの。今、呼んでくるわ」
3人を待たせて、アヤは泉の奥へと入っていく。暫くしてアヤに連れられ、グアド族が現れた。
その顔を見て、リュックとユウナは驚きの声を上げる。
「ぁあーーっ!!」
「トワメルさんーー!!」
「おぉ・・大召喚士様ーー!!その節は、とんだご無礼を・・・」
トワメルは、目を潤ませてユウナの手を両手で握った。
「お元気でしたか?」
「・・・シーモア様亡き後、グアド族は死人も同然にございます」
「・・・」
そのシーモアの命を絶った立場のユウナは、返事に困った。
だが、ユウナたちを責める意味ではないようだ。
なにより、トワメルには覇気がない。
「シーモア様の手にかかって、多くのロンゾ族が命を落としました。生き残ったロンゾ族は我らを憎み、復讐を企てております。そこで、グアドサラムに籠って守りを固めておりましたがーーもはや、それにも疲れましてな・・・こうして森に隠れ住んでおるのです」
「そうなんですか・・」
先程、ロンゾ族の消えない憎しみを見たばかりなので、トワメルの言葉を否定出来ない。
「大召喚士様、我らのことはどうか捨て置いてくだされ。我らグアドは、かつてシーモア様に付き従って、スピラを乱した張本人。許せとは申しませぬがーー」
俯いた後、ユウナとアヤを交互に見ると
「グアドのことは、忘れてくだされ」
深々と頭(こうべ)を垂れた。
「でも・・・」
「はて?大召喚士様は、なぜここへ?」
「私、スフィアハンターになったんです」
「スフィア、ハンター?」
トワメルは、スフィアハンターを知らなかった。今、グアドサラムがハンターたちの住みかになっていると知ったら、どんな顔をするだろう。
「スフィアを集めてるの」
「さようでございましたか。では、森で見つけたら、保管しておきましょう」
「よろしくお願いします!」
「トワメルさん・・さっきの事、考えておいてくださいね。行きましょうか、ユウナ」
雷平原に戻りながら、ユウナはアヤに訊ねる。
「トワメルさんたち、いつからマカラーニャの森に?」
「1年くらい前かな。それで、無人になったグアドサラムにスフィアハンターが集まりだして、今は知ってる通りハンターだらけね。シーモアが住んでた屋敷は、ルブラン一味のアジトになってるわ」
「そうなんですか・・キマリが、ロンゾの人たちがグアド族への憎しみを募らせていて、悩んでいると言っていました。まさか、本当に復讐なんて・・・」
「あの人たちも・・永遠のナギ節が訪れたあの時から、時間が止まっているのね」
「あの人たちも?」
「そう、トワメルさんもロンゾも、貴女もーーー私も」
ユウナはアヤを見つめる。アヤも黙って見つめ返す。
「ユウナん~アヤ~早く~」
リュックのはしゃいだ声が、2人の視線を遮った。
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