Lv5 アカギスフィア
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「見つけたのはいいけれどーー私たちは、正直困っていた。この兵器が、あの洞窟での出来事にどう係わってるのか、どう使うのか。シンがいない今、これを動かす意味はあるのかーー」
「バラライさんとギップルさんは、なんて?」
「バラライは、足下にあんな物騒な物が在るなんて気が気じゃない。だから壊す。ギップルは無理じゃないかって、意見が割れてた」
「アヤの気持ちは?」
パインが問うと、アヤは彼女の顔を見ながら答える。
「私も壊したい。もうスピラには必要ないから。でもーーあれを壊すのは、容易ではないと思う。
何度もヴェグナガンをどうしたらいいか、バラライたちと話し合っていた。
そうしたら、バラライが云ったの。あの洞窟に充ちていた狂気と同じものを、ヴェグナガンから感じるって」
アヤは、アカギ候補生の洞窟での様子を記録したスフィアを手に取る。
「それを確める為に、ヌージをあの場所に呼ぶことにした。こういう時、ヌージの判断は頼りになるから。バラライは渋っていたけどね」
「私をーー呼ぼうとは云わなかったのか?」
「言ったわ。でも、バラライが反対した。ギップルもね。確かに全てが中途半端だったから、納得したわ」
「愛されてるね〜ウリウリ」
肘でパインの腕を小突く。
「うるさい」
「それであの夜、密会したの。あんな結末になるなんて、想像もしなかったけどね」
誰も想像出来るわけない。
あの巨大な兵器が、忽然と消えるなんて。
「ヴェグナガンは、敵意や憎悪を感知すると起動するーーバラライは繊細だと云ったけど、私は、確固不抜たる悪意に敏感なんだと思ってる。
バラライのヌージに銃で撃たれた憎しみをもってしても、ヴェグナガンは起動しなかった。
でも、あの姿を目の当たりにしたら、生半可な憎悪なんか萎縮してしまう。
ヴェグナガンの前で、あれを起動させるだけの憎悪を、シューインは持っている」
「でもーー負けるわけにはいかない」
「うん。スピラが壊されちゃう」
「みんなもーーわたしたちもね」
「これが、私が2年の間にしていたことよ」
「アニキさんとダチさんは、この事を?」
「知らないわ。はじめの頃、私がスフィアを探すために、セルシウスで運んで貰ってたの。それが何度か続いた時ーー」
『なぁ、アヤ。俺たち、スフィアハンターカモメ団を結成したんだ』
ブリッジでポーズを決めながらアニキが云うと、ダチも。
『それで、アヤも入らないか?カモメ団に』
『カモメ団に、私も?』
『だってよ、面倒じゃないか。イチイチ連絡取って、料金払って、運んでーーてさ』
『仲間になれば、面倒なし!アヤが居てくれれば、俺たちも楽しい!』
『いいの?』
『モチロン!』
『ありがとう』
「何にも効かないで仲間になって、スフィア探しを手伝ってくれることになった。後で、ふたりにも説明しないとね」
「いいとこあるじゃん、アニキ」
「ダチもな」
「それで提案なんだけど、あの洞窟の封印を解いて、中に入るのはどうかな。ヴェグナガンのことが何かわかるかも」
「賛成だ。あの場所で何があったのか、私も知りたい」
「決まりだね」
「うん、行ってみよう」
「ギップル、いつオッチャンを写したんだろ」
「ビーカネル砂漠で、1度バラバラになったじゃない?あの時だって」
「アーロンさんのスフィア、あとで見せてくださいね」
ユウナたちが部屋を出ると、アカギ隊の記録スフィアを皮袋に入れた。
部屋を出る時、棚に置いてあるスフィアを振り返り、微笑する。
「アーロン、ゴメン。約束、破っちゃった」
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