Lv4 レンのキミにーー
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魔物を退治しながら、現れる方へと移動していくと、ぽっかりと洞窟の入り口が見えた。
「こんなところに洞窟があったんだ」
「ここから、魔物が出てきているのか?」
「とにかく、入って確かめようよ。魔物が観客なんて、ぜんっぜん楽しくない」
「だね」
シンを倒したユウナやリュックにとって、雷平原に現れる魔物など赤子の手を捻るようなものだった。
あらかた倒すと、洞窟の最奥へと進んだ。
すると、想いもよらない人物が壁に持たれてへたりこんでいる。
「オヤジ!?」
「おう」
リュックが驚いた声をあげると、シドは弱々しく返事をした。
「『おう』じゃないよ!なにやってんのさ!」
「穴があったら探検する。つまり、好奇心ってヤツだ。そしたら魔物だらけでよ・・
出るに出られねぇときた。悪いな、出口まで連れてってくれ。
いてて・・腰、やっちまった」
シドは立ち上がろうとしたが、すぐに腰を押さえて座りこむ。
「情けないなぁ、もう」
「交代でおぶってく?」
ユウナがシドの隣にしゃがむ。
「恥、かかせんじゃねぇ」
「どうして欲しいんだ?」
すこしだけ怒気を含んだ声でパインが訊ねる。
中年男のプライドなど、面倒以外の何者でもない。
「そりゃあ、おめぇ・・・」
「とりあえず、私たちの船へどうぞ」
にっこり笑ったユウナが手を差し出すと、シドはしぶしぶ自分のそれを乗せた。
3人でシドを運んでくると、ちょうど客を乗せたセルシウスが上空に見えた。
4人がブリッジへ入ると、いつもなら淋しかったとユウナに抱きつこうとするアニキだが。
今はユウナに見向きもせず、父親であるシドと睨み合っている。
そこへ、連絡を受け、避難していた客を連れ帰ってきたアヤが入って来た。
「何・・この険悪な空気」
アヤがひきつった顔で言うと
「アハハーー」
リュックとユウナも、ひきつった笑い声を立てた。
「オヤジ、船に乗りたかっら、俺にあやまれ」
随分と時が過ぎた後、アニキがいい放つ。
「ーーー悪かったよ」
「素直すぎる・・何かのワナか!?」
「けっ!」
謝罪を疑う息子に、シドは悪態をつく。
「ねぇ、何があったの?」
「え?え~~と・・」
ユウナとパインとアヤの疑問に、リュックは困った顔をしながら説明した。
アニキさんとシドさんの間には、色々ありすぎてーーだから、何が仲違いの原因だったのか、リュックにもわからないんだって。
でも、何かいいなって思うんだ。
父さんやジェクトさんとも、こんな風に話せたかも・・・なんてね。
「喧しい居候が増えたな」
「オヤジが居るから、アニキとダチはちょっと窮屈みたいだね」
「ギラギラ塗りたくりやがって、趣味が悪いったらねぇや。まったく。誰に似やがったんだか」
シドは、セルシウスの真っ赤な外装がお気に召さないらしい。憎まれ口を叩いた後、操縦席にいるダチに近づく。
「おい、気の抜けた操縦するんじゃねえ」
ダチが返答に困っていると、アニキとリュックが助け船を出す。
「オヤジ、口出しすんな!!」
「もう年なんだから、無理しないでよ」
「俺たちの船だ。俺たちに任せてくれ」
「勝手にしやがれ」
面白くなさげな顔で、ブリッジから出た。
食堂のカウンターに座ると、マスターを話し相手に酒を呑み始めた。
しばらくすると
「シド」
「あん?おぉ、アヤか。暫くだな」
振り向くと、懐かしい顔があった。アヤも隣に座ると、懐かしげに話しかける。
「お元気でした?」
「おぅ、あたぼうよ。アヤ・・」
「マスター、コーヒーをお願い。ん?何、シド」
「随分と経っちまったが・・教えてくれねぇか、ベベル寺院での暮らしをーー」
「・・うん」
アヤは、なるべくシドが傷付かないように、彼の妹、シエラのベベルでの生活を語った。
そして、最後にこう付け加えた。
「真実の重さに耐えきれなくて、よく独りで泣いてた。そんな時、思い出すのはシエラさんだった。彼女も、ブラスカの見えないところで泣いてたのかなって」
「アーロンじゃなくてか?」
「うんーーアーロンには、棄てられたって思ってたし・・孤独に押し潰されなかったのは、寺院の差別と迫害を笑顔で跳ね返していたシエラさんのおかげなの。なんか、夫婦っていいなって」
一頻り語り合うと、アヤは部屋に引き上げた。そこへ、リュックがやって来る。
「あ、いたいた。オヤジ、空いてる部屋片付けてきたから、そこ使って~~」
リュックの声が聞こえているのかいないのか、シドは夢見がちな顔で
「なぁ、リュック」
「なに?」
「おめぇ、新しい母ちゃん欲しくねぇか?」
「はいぃぃぃいいい!?何言ってんのぉぉぉお!?」
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